コロナ禍影響? 高齢「孤独死」最多96人 単身高齢世帯率全国2位の鹿児島県 感染拡大で見守りに制約 21年度

2022年12月08日南日本新聞


 鹿児島県は7日、2021年度に県内で孤独死した一人暮らしの高齢者が96人だったと、県議会一般質問で明らかにした。調査を始めた10年度以降で最も多かった。県は取材に対し「単身高齢者の増加が主因」と説明。市町村からは「新型コロナウイルスの感染拡大で、従来通りの見守り活動ができなかった」との声も出ているといい、コロナ禍が影響した可能性もありそうだ。

 孤独死について、県は「65歳以上の一人暮らしで誰にもみとられずに亡くなり、死後2日以上たって発見され、市町村が把握したもの」と定義。全43市町村を毎年調査している。10年度の24人から増加傾向にあり、21年度は前年から34人増えた。

 21年度の96人を7地域振興局・支庁別にみると、鹿児島26人、北薩20人、南薩18人、大島14人、大隅11人、姶良・伊佐5人、熊毛2人だった。

 県内の単身高齢世帯は、20年の国勢調査で11万9020世帯に上り、15年の前回調査から約8300世帯増加。一般世帯に占める割合は16.4%で、全国で2番目に高い。

 各市町村は孤独死防止の対策を進め21年度時点で、23自治体が高齢者の見守り活動事業を実施。23自治体が配食サービス事業者らによる安否確認、26自治体が緊急通報体制を整備している。

 県内の65歳以上は40年に総人口の40%以上を占めると推計されており、高齢者の孤独死はさらに増える可能性がある。県は「市町村と連携し地域で見守る人材の育成、体制の整備を促す」としている。

 孤独死を巡っては、県警が「検視した独居高齢者のうち自殺者を除く件数」を明らかにしており、21年は668件で過去最多だった。