孤独死防止・見守りシステム 複数人の利用を可能に エスト(浜松市西区)【静岡ものづくり最前線】

2022年09月23日静岡新聞


 1人暮らしの高齢者が増加する中、手間や負担を省きながら、複数人の利用を可能にした「孤独死防止・見守りシステム」を開発し、20日に発売した。

 人の動きと明るさに対応する二つのセンサーが、利用者を感知する。設置は本機をコンセントに差し込み、ベッドやトイレなど生活動線に向けるだけ。管理者が任意に設置した一定時間内に利用者を感知しなかった場合、合成音声による電話や無料通信アプリLINE(ライン)などが管理者に届く仕組み。

 Wi―Fi経由でのインターネット接続は親機1台だけ。そこから離れた場所に置いた子機(10台まで)は無線でつながってネットワークを形成する。被災者や高齢者向けの賃貸住宅など、地域の複数の人を互いに見守ることができる。

 入居者に高齢者の1人暮らし世帯が増えていたアパート経営者からの相談が、開発のきっかけ。白鳥進社長は「東日本大震災後、増加傾向にある孤独死を少しでも減らすことにつながれば」と思いを述べた。

 親機、子機ともに初期費用と1年目のレンタル料合わせて1台当たり税込み1万890円。2年目以降は年間レンタル料のみで3960円。年間販売目標は100台。