デジタル技術で高齢者見守り 平取町が実証事業 スマートスピーカー
2022年08月18日北海道新聞
日高管内平取町と同町社会福祉協議会は、話しかけて対話できる端末「スマート(AI)スピーカー」を活用した日本郵便(東京)の高齢者見守りサービスの実証事業に道内で初めて取り組んでいる。75歳以上の独居世帯13人に端末を配布し、決まった時間に服薬や食事の状況を確認して家族や町などに伝える仕組み。9月末まで続け、利用者の声などを踏まえ来年度の導入を判断する。
利用者に配布された端末に専用アプリを登録すると、端末から服薬時間になると自動で音声と画面表示で確認のメッセージが出る。利用者は声で「はい」「いいえ」を答え、回答は町と町社協にメール、家族には無料通信アプリのLINE(ライン)で送られる。
同様に食事や睡眠の状況なども1日1回確認。家族が利用者にメッセージを送ったり、ビデオ通話をしたりすることもできる。呼び掛けに24時間応答がない場合は町社協の担当者が電話し、出なければ自宅に行き安否確認する。
また週1回、介護支援ボランティアがビデオ通話で体調を確認し、相談を受ける。利用者の山沢利子さん(79)は「1人暮らしを娘はよく心配するが、ビデオ通話ができるのは安心」と話した。
サービスは日本郵便が1月から提供しており、同町と社協は計42万円を負担し、今月1日から実証事業を開始。町内には75歳以上の独居者が約200人おり、町は「見守りの担い手が減る分、デジタル技術を活用していければ」と期待している。