高齢者見守り 新システム 小松市、北陸初の導入

2022年07月29日中日新聞


小松市は、一人暮らしの高齢者を見守ろうと、人の動きに反応する人感センサーと携帯電話の貸与による「安心通報システム」を導入した。高齢者宅に置いた人感センサーに二十四時間反応がない場合、コールセンターが携帯電話に安否確認の連絡を入れる。通信大手ソフトバンクとの連携事業で、北陸初という。

 市ではこれまで固定電話の回線を使った安心通報装置を導入していたが、自宅に固定電話がなくても、置き型のセンサーを取り付け、同社の携帯電話を貸すことで利用できるようになった。携帯電話への安否確認で連絡が取れなかった場合、親族や民生委員ら協力員に連絡が行く。

 携帯電話では、移動先で体調を崩しても、簡単な操作でコールセンターに緊急通報でき、位置情報を基に救急対応を取れる。月一回の健康確認の電話などもある。利用者の負担額は月額四百円で、市高齢者総合相談センターが必要と認めた独居の高齢者が対象。

 二十八日には、新システムを利用する同市安宅町の女性(86)の家を市の担当者らが訪問し、使い方を確認した。健康確認を想定した実演では、コールセンターの職員が「困りごとはありませんか」「熱中症に気を付けて」と優しく話し掛けた。女性は取材に「親族が近くに住んでいないので、何かあった時すぐ来てもらえると思うと安心」と話した。

 新システムは今月から導入し、既に八人が利用している。市内で一人暮らしの高齢者は約四千二百人(二〇二〇年度)おり、今後必要性が高まるとみられる。従来の安心通報装置の利用者は八十八人いる。