高齢者見守り装置、廿日市で試験導入 ジップケア、介護士の働き方の変化調査

2022年06月27日中國新聞


 配電盤など製造の東洋電装(広島市安佐南区)のグループ会社で、介護福祉機器開発のZIPCARE(ジップケア、東京)は今月、自社の介護見守りシステムを広島県廿日市市の高齢者施設に試験導入した。業務効率や働き方の変化などを専門家の協力で調べ、介護現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)の提案に生かす。

 廿日市市のサービス付き高齢者向け住宅「さくらす大野」の10室にシステム「まもる~の」を入れた。ベッドに据えたセンサーで利用者の呼吸や心拍数を読み取り、手のひらサイズの端末にデータを集約。室温などの記録とともに無線で職員のパソコンに送る。8月下旬まで各室のデータを測定。介護士たち8人の働き方の変化をアンケートや面談で把握し、システムの提案時に活用する。

 システムは既に全国約100施設に納めている。利用した際のメリットを具体化しようと、一般社団法人働き方改革実現ネットワーク広島(南区)の協力を得てさくらす大野への試験導入が決まった。

 ジップケアなどは、システムを使えば施設利用者への支援が効率的になり、職員の業務に対する満足度が上がるとみている。同社は「DXには介護士のノウハウとデータの最適な融合が必要。運用先でのサポートの改善にも生かしたい」としている。