週に1度のおいしい食事 市の配食見守り事業スタート 高齢者259人が利用

2022年06月08日東海新報


陸前高田市は6日、高齢者世帯に夕食を配達する見守り事業を始めた。新型コロナウイルス禍に伴い自宅に閉じこもりがちな高齢者の孤立化防止などを目的に実施しており、3年目の本年度は259人が利用。市内飲食店が調理した食事を週に1度味わうことができ、随時申し込みを受け付けている。

対象は70歳以上の高齢者のみで暮らす世帯とし、初日は小友町34人、広田町29人に配達。配達員が食事を手渡しながら会話し、健康状態を確かめた。

昨年度も利用した小友町の佐藤主税さん(85)は、妻との2人分を申し込んだ。「コロナで外食の機会はめっきり減った。配食はどんな料理が来るか楽しみ。高齢者向けの量と味に仕上げてもらえればありがたい」と話した。

事業は、コロナ禍で経済的打撃を受ける飲食事業者などへの支援も兼ねている。同日、小友町民分の調理を担当した霊泉玉乃湯(竹駒町)はサケの南蛮漬け、手作りコロッケ、鶏肉の治部煮、山菜の煮物など多彩な12品を詰め込んだ。

同施設の熊谷礼子マネジャー(54)は「自宅にいながら施設の食事を提供できるサービスで、とてもいい取り組みだと思う。利用者の声を聞けるので作り手の励みにもなる。事業をきっかけに、ぜひ玉乃湯にも足を運んでもらいたい」と期待する。
利用料は1回当たり400円で、600円相当の食事を味わえる。市内飲食店約10店舗が調理し、毎週別の店の食事を届ける。

配達日は▽月曜日=小友町、広田町▽火曜日=矢作町、横田町▽水曜日=竹駒町、気仙町、米崎町▽木曜日=高田町──。レンタカー業や運輸業など民間3事業者が配送業務を担い、午後3時30分〜6時の間に各家庭に届け、健康観察を行う。不在の場合、再配達は行わない。配達時間の指定もできない。

4月1日時点の市内70歳以上は、2063世帯2914人。申し込み後、原則翌月から食事が届く。

申し込みは、市から同事業の業務委託を受けている陸前高田まちづくり協働センター(47・4776)へ。