家族と施設利用者をつなぐサービス 高齢者が気軽に“テレビ電話” 秋田

2022年05月11日FNNプライムオンライン

 高齢化が進む地域では、医療や福祉などの分野でさまざまな問題が起きるとされているほか、高齢者の生活の質の低下などが懸念されている。

 こうした課題を最新の技術で解決するのが「エイジテック」。高齢者が自立して豊かな生活を送れるようサポートするテクノロジーやサービスなどを指していて、例えば見守りや遠隔介護のための装置、オンライン診療や薬の処方など。

 エイジテックが注目を集めている中、秋田市のショートステイでは、全国で初めてエイジテックを活用したテレビ電話を導入しようと、11日、利用者とその家族がサービスを体験した。

 秋田市の「やすらぎの郷 ショートステイ」では、在宅介護をしている高齢者が一時的に施設に入り、日常生活における介護を受けている。

 佐藤愛純アナウンサー:
 「こちらで導入されたサービスはインターネット環境の設定がいらないため、自宅にあるテレビを使えば、誰でも簡単にテレビ電話ができる」

 使い方はとてもシンプルで、テレビと端末をつなぐだけで準備は完了。電話をする相手もスマートフォンのアプリでボタンを1つ押すだけなので、IT=情報技術が苦手な人も簡単に使うことができる。

 11日は、2年ほど前から施設を利用している上村トクさんが、秋田県北秋田市に住んでいる家族と顔を合わせた。

 上村さんの娘:
 「元気でいればこうしてまた会えるから」

 上村さん:
 「これから元気にいますので、お願いします。ありがとう。みんなにありがとう」

 以前は月に1度は家族と会っていたが、新型コロナウイルスの影響で面会できなかったため、11日は約4カ月ぶりの家族の時間を楽しんでいた。

 上村さんの娘:
 「きょうこうして会えて、今まで会わなかった分、泣けてしまいましたけれども。やせたけど元気な声で電話できたことはホッとしました」

 施設を利用している人の家族も高齢者が多くなっているため、お互いに簡単に操作できるという点も優しいサービスとなっている。

 やすらぎの郷 ショートステイ・佐藤 義男所長:
 「電話をつなげる際の操作という点でも、今までのものより、かなり楽にできるのではないかということで、ご家族様が比較的年配の方でも対応できていくのではないかと期待しています」

 離れたところに暮らす家族と利用者をつなぐエイジテックを活用したサービス。幅広い世代のデジタル技術に対するイメージが変わるきっかけのひとつとして、今後の活用に期待がかかる。