レーダー技術で独居高齢者を見守り 市営住宅で鳥取市が実証実験

2022年03月06日朝日新聞

 
 鳥取市は、市営住宅に住む独り暮らしのお年寄りの孤独死などを防ぐため、「ミリ波レーダー」という技術を利用した見守りサービスの実証実験を始めた。

 この技術は富士通が開発した。富士通Japan鳥取支店と市によると、ミリ波は波長が短い電波で、人に当たって跳ね返ってきたミリ波を分析することで、服を着たり、布団に入ったりしていても呼吸や心拍による体の動きをつかむことができ、その人の様子を「可視化」できるという。

 実証実験では、市内2カ所の市営住宅に住む60代以上の8人の室内に、ミリ波の装置(試作機)を1台ずつ設置。お年寄りの動静を24時間見守り、意識を失ったり、転倒して起き上がれなくなったりした場合、市の担当者に自動で通知されるようにしている。実験は3月末まで続け、装置やシステムの動作、見守りに有効かといった点を検証する。

 市建築住宅課によると、市営住宅に暮らす独り暮らしのお年寄り(60歳以上)は毎年増加傾向にあり、2021年度で約29%。担当者は「どのような行政サービスを行えば、独居高齢者にとって安心安全で住みよい環境になるか、その方策を検討していきたい」と話している。