高齢者事業の5カ年規画を発表、ITやデジタル化によるシルバー産業発展に注力 (中国)

2022年03月04日日本貿易振興機構(ジェトロ)

 
中国国務院は2月21日、「『第14次5カ年(2021~2025年)規画』期間の国家高齢者事業の発展と養老サービス体系に関する規画」を発表した。規画では、2025年までに高齢者向けサービスの供給拡大、高齢者の健康支援システムのさらなる整備、高齢者サービスに関する多様な業態の融合発展などについて目標を設定した。

目標を設定したのは高齢者施設のベッド数や、高齢者施設の設置率など9項目。

重点的に取り組む事項として、(1)社会保障の整備とボトムアップ型高齢者サービスの強固なネットワークの構築、(2)包括的な高齢者サービスの適用範囲の拡大、(3)自宅と社区(コミュニティー)の高齢者サービス能力の強化、(4)高齢者の健康支援システムの改善、(5)シルバー経済の発展などを盛り込んだ。

(1)では、法定退職年齢の段階的引き上げ(2021年3月24日記事参照)を盛り込んだほか、長期介護保険制度の主な資金源として、企業と個人の保険料負担などを中心に、経済社会の発展と保護水準に見合った資金調達調整メカニズムの確立を模索する方針を示した。

(2)は、専門的な大規模高齢者介護施設の建設支援や高齢者介護施設による認知症専門の介護サービスの提供支援、公営の高齢者介護施設への専門的な運営機関の参入支援など、(3)は、高齢者向け食事提供サービスや入浴サービス、クリーニング事業者の育成・参入支援、オンラインを活用した新しい高齢者サービス業の育成などを盛り込んだ。

(5)では、京津冀(注)、長江デルタ、広東・香港・マカオグレーターベイエリア、四川省成都市・重慶市などでシルバー経済に特化した経済産業園区を10カ所設けるとした。このほか、高齢者向け製品について、大人用紙おむつや介護用シーツなどの性能向上、高齢者の移動や寝返りを支援するロボットや見守り、迷子防止などの製品の研究開発・製造を強化するとした。

中国高齢科学研究センターによると、高齢者産業の市場規模は2050年に100兆元(約1,800兆円、1元=18円)に達すると見込まれている(「央広網」2月22日)。復旦大学人口研究所の任遠教授は、ITやデジタル化を活用した高齢者向け製品やサービス業の潜在的な成長性は非常に高いと指摘している(同)。

(注)北京市・天津市・河北省を指す。