CEATEC 2019: あえてカメラをなくした“緩い見守り”を実現するAIロボット
2019年10月18日MONOist
オートバックスセブンは「CEATEC 2019」(2019年10月15~18日、千葉県・幕張メッセ)に出展し、ミミズク型AI(人工知能)ロボット「ZUKKU(ズック)」を活用した見守りサービスを展示。AIを活用した自然な会話によって、高齢者を対象とした“緩やかな見守り”を提供できる点をアピールした。
ZUKKUを用いた見守りサービスは、ハタプロ・ロボティクス、NTTドコモ、日本情報通信、オートバックスセブンの4社による共同開発で実現したもの。オートバックスセブンのIoT(モノのインターネット)サービスブランド「WEAR+i(ウェアアイ)」の高齢者見守りサービスとして展開する。
AIによる自然な会話が楽しめる、会話から不調も検知
もともと、ZUKKUはハタプロ・ロボティクスが開発する小型のマーケティング支援AIロボット(100×70×65mm)で、一部仕様を変更し、今回の見守りサービス向けにカスタマイズしている。「具体的にはカメラを排除している。カメラがあると『見られている』という不快感につながるためだ。監視が目的ではなく、見守りが目的であるため、人感センサーで対象者(高齢者)の動きを捉え、会話を投げ掛けるような構成になっている」(説明員)。
ZUKKUは専用アプリケーションを内蔵したタブレット端末(Android OS)と連携し、会話内容などをタブレット端末のディスプレイ上で確認したり、しゃべった内容をテキストメッセージとして見守る側(家族)へ送信したりできる。また、ZUKKUとの会話内容の詳細に関してもプライバシー保護の観点から非公開となっており、気兼ねなく会話を楽しめる仕様になっている。対話に関しては、対話型AIサービス「ドコモAIエージェントAPI」および雑談対話AIエンジン「かたらい」を活用し、途切れの少ない広がりのある対話が可能だとする(※)。
※「ドコモAIエージェントAPI」は、NTTグループのAI「corevo」の一部である。「かたらい」はNTTドコモが開発し、インターメディアプランニングが提供するサービスである。
タブレット端末と連携し、ZUKKUとの会話や家族へのメッセージ送信などが行える (クリックで拡大)
一方、見守る側の利用者は、スマートフォンのWebブラウザなどを介して対象者とZUKKUとの会話頻度や、「痛い」「苦しい」といったキーワードをピックアップし、体調不良の可能性の有無などを確認したり、メッセージを送信したりできる。なお、ZUKKUと連携するタブレット端末側のモバイルアプリケーションと見守る側のWebアプリケーションは日本情報通信が開発している。
同サービスの提供は、オートバックスセブンが同年10月4日から開始しており、ZUKKUと専用アプリケーション内蔵のタブレット端末のセットが5万9800円(税別)、月額サービス利用料が980円(同)となっている。