ITで高齢者見守り センサー、寝起きなど把握 NTTなど施設で実証実験
2019年09月27日西日本新聞
高齢者施設でのプライバシーに配慮した見守りシステムの実用化を目指し、NTT西日本北九州支店などが、小倉南区の住宅型有料老人ホームで、センサーやロボットを導入した実証実験を行っている。ベッドでの寝起きや浴場の出入り、施設の入退館などを把握する最新の機器を使用。同社は来年度からシステムを販売する方針だ。
この実証実験は、同老人ホーム「ゆうゆう壱番館」で18~27日の予定で実施されている。センサー技術を提供する九州工業大、ロボットメーカーのドーナッツロボティクス(小倉北区)など地場の関係組織も協力している。
施設では、10部屋にベッドの寝起きを把握する「布型離床センサー」や、熱中症対策として温度、湿度などを把握する環境センサーを設置。入退館や浴場の出入りを顔情報で把握するロボットも置いている。それを、職員が専用アプリで把握できるシステムだ。
今回得られた実験データを使ってシステムを改善し、実用化を進める。NTT西日本でも例のない実験だといい、担当者は「直接カメラで動向を把握するのと違い、プライバシーなどに配慮しながら、緩やかな見守りシステムを目指したい。施設職員の労力軽減や見守りの強化にもつなげたい」などとしている。