高齢者見守りに無線活用 情通機構、来月から富山で実証

2019年09月23日日刊工業新聞

 
情報通信研究機構の研究グループは、IoT(モノのインターネット)向け国際無線標準規格「Wi―SUN(ワイサン)」とWi―Fi(ワイファイ)を活用し、地域の高齢者の見守りに活用できる無線ネットワーク構築技術を開発した。

富山県黒部市の高齢者世帯を対象に10月から3カ月間程度、同技術を利用した地域の見守りと電子回覧板の実証を行う。ネット環境がない地域でのコンテンツの配信などへの応用が期待される。

黒部市在住の高齢者世帯最大40世帯で、スマートフォンやインターネットなどの通信手段を持たない後期高齢者を対象に技術実証を行う。

地域見守り実証では、対象となる家のドアに設置した開閉センサーから得られた外出頻度などの情報が無線ルーターを介して、近隣を走行する業務用車両に飛び、タブレット端末上に表示されることで対象世帯の異常に気づく仕組みを導入。普段の仕事をしながら、見守り対象者の状況変化の早期把握と訪問型見守りサービスの効率的な提供手法を検証する。

一方、電子回覧板実証では、希望する対象世帯にタブレット端末を配り、動画コンテンツなどのお知らせを地域の業務用車両が対象世帯に近づいて配信するサービスを実証する。