離れて暮らす家族がお互いにストレスなく安否確認 『見守りアプリ・サービス』を紹介

2019年09月17日TIME&SPACE


近年、少子高齢化が進み、高齢者夫婦だけの世帯や高齢者のひとり暮らしが増加傾向にある。そのなかで、子供世代が親の安否確認のために毎日電話をしたりメールをしたりすることが、お互いに小さなストレスになっていくことも考えられる。そういった問題を解決する方法として、離れて暮らす高齢者の安否を家族に代わって確認してくれる「見守りサービス」や「見守りアプリ」が注目されている。

代表的なものとしては、家の中の生活動線上に配置したセンサーで高齢者の状況を確認し、緊急時にはセキュリティ会社の担当者が駆けつけるといった、大手セキュリティ会社のサービスがある。一方で、スマホだけがあれば、安く・手軽に安否確認や居場所を把握できるアプリも多く登場しており、話題を集めている。また、日常よく使う家電などに組み込んだセンサーを用いて、高齢者の様子を確認するサービスも人気だ。

こういったサービスでは、基本的に利用者は「お互いに最低限の手間で安否確認ができる」のがポイント。住んでいる場所の遠近を問わず、お互いに適度な距離感を保ちながら安否を確認(=見守る)できる便利なサービスとなっている。

そこで、本記事では見守りサービスにまつわる、さまざまなアプリや機器を紹介。導入を検討している人は、家族の生活スタイルに合わせて選んでみてはいかがだろうか。

アプリで見守り

まずは、アプリを使った見守りサービスを紹介。基本的に事前の準備が簡単なため、取り入れやすいのがメリットだ。

あんしん365

高齢の家族のスマホにインストールしておくと、設定した時間(1日3回まで設定可能)にアラームが鳴り、画面のボタンをタップするように促す、というもの。高齢者がボタンをタップすると、受け取り先に指定された人にメールが届くので、相手が元気だということがわかる。とてもシンプルな仕組みだが、メールには位置情報も含まれるので、それだけでもかなり有効な見守りになる。高齢者にとってもボタンをタップするだけなので面倒がない。

お元気ですか

キーボード入力が苦手な高齢者向けのコミュニケーション支援アプリ。「家にいる」「外にいる」「助けが必要」などが書かれた8つのボタンを選択するだけでメッセージを送ることができる。
たとえば、「家にいる」「元気がない」「助けが必要」の3つを選択すると、「家にいて、元気がなくて、助けが必要だよ」というメッセージに変換され、登録された相手にメールやSMSで届く。毎日決まった時間に通知する機能も搭載しているため、生活習慣の一部として取り入れることができる。

Life360

家族それぞれのスマホの位置情報を共有できるアプリ。もともとは子供の見守りを目的としたアプリではあるが、離れたところで暮らす高齢者の見守りとしても活用できる。「緊急ボタン(ヘルプアラート)」をタップすると家族全員に位置情報が送信される緊急通知機能も、高齢者にとっては安心だ。

IoT機器で見守り

見守り用のIoT機器もさまざまなタイプが登場している。導入費用や設置場所など、手軽に試すことができるものも多いため、お互いのニーズに合わせて選ぶことができる。

MaBeeeみまもり電池

Bluetoothを内蔵した単三乾電池型のIoT機器「MaBeee(マビー)みまもり電池」。高齢の家族が暮らす家のテレビのリモコンなど、よく使う機器に入れておくと、その機器を使うたびにスマホ(Androidのみ)経由で使用状況がクラウドに通知される仕組みだ。家族は別のスマホから、専用アプリでその使用状況を確認できるので、その状況から生活の様子などを把握することができる。

みまもりホットライン

見守り機器の草分け的商品であり、スマホ回線に接続する無線機を内蔵した専用電気ポット「i-PoT」を利用した、象印マホービンならではの見守りサービス。ポットを使うたびに使用状況がシステムセンターに発信され、1日2回、メールで家族に自動で通知される。また、専用ホームページでポットの使用状況から高齢の家族の生活リズムを知ることもできる。

au HOME ネットワークカメラ 03

設置された側がストレスを感じないならば、カメラを設置するというのもいいだろう。auでは防犯、子供や高齢者の見守り、ペットの見守りなどを目的とした「ネットワークカメラ 03」を用意している。
スピーカーとマイクを内蔵していて、カメラのそばにいる高齢の家族とスマホで会話ができるので、安否確認用として最適だ。ドアや窓の開閉を感知し、スマホに通知する「マルチセンサー」(別売り)と合わせて利用すると、家族の帰宅や外出がわかるのでとても便利。

BOCCO(振動センサ付き)+人感センサ

もともとは留守番中の子供の見守りを目的として制作された、かわいらしく、どこか安心する見た目のロボット型コミュニケーション・ツール「BOCCO」。外出先からスマホを使い、ロボットを介して、先に帰宅した家族とメッセージのやり取りなどができる。また、専用の人感センサ(別売り)と連携させることでドアの開閉などの確認が可能になっており、高齢の家族の安否確認用としての活用も可能だ。
人感センサの前を通るとスマホに通知してくれるだけでなく、付属の振動センサを玄関ドアにつけておけば、外出・帰宅も確認できる。また、指定した時間にメッセージを話す機能もあるので、「薬を飲んでね」「今日はゴミ出しの日だよ」などリマインドとしても役に立つ。

スマホで見守りは常識の時代へ

ここまで手軽に始められる見守りサービスとしてアプリやIoT機器を紹介してきたが、見守られる側と見守る側のニーズに合わせて多様化してきている。高齢の家族の健康状況やライフスタイルによって、アプリやIoT機器を使いわければ、お互いにストレスのない暮らしが実現できるはず。もはや、スマホを用いた高齢者の見守りは常識という時代になりつつあるのかもしれない。