屋内でも高齢者見守り、九電 損害賠償も用意

2019年09月10日日経新聞

 
九州電力は10日、センサーを活用した屋内での高齢者見守りサービスを始めると発表した。高齢者の動きを感知して起床や外出といった活動内容を記録し、スマートフォンなどを使って、離れて暮らす家族が確認できるようにする。気温や湿度に応じて熱中症の危険なども通知する。まず2020年3月末までの期間限定事業として始め、20年度以降の本格展開を目指す。

サービスは「こねQと(コネクト)」の名称で17日から提供する。見守り対象は一人暮らしをしている高齢者を中心に想定しており、センサー設置場所はまず九州本土に限定して始める。

センサーは玄関や寝室など生活動向を把握しやすい場所へ設置する。床に置いたり、壁に貼ったりするだけでよく、工事は不要だ。外出や帰宅、起床や就寝などは設定によってメールで配信する。

付随サービスとして24時間対応の電話相談や最高1億円を補償する損害賠償保険も用意し、サービス利用者の安心につなげる。

料金は初期費用が1万円、月額利用料が2480円から(いずれも税別)。月額料金はセンサーの台数や見守る人数によって変わる。仮にサービスが20年3月末で終了した場合、初期費用は返還する。

九電は電波発信機を活用して居場所を確認する見守りサービス「キューオッタバイ」を、IT(情報技術)スタートアップ企業のotta(オッタ、福岡市)と共同開発し、18年6~7月に実証実験を実施している。今回のコネクトは「家の中の見守りという点でキューオッタバイとは異なる」(コーポレート戦略部門インキュベーションラボの藤木伸治副長)という。