神戸市、ドコモと生体センサーを活用した高齢者向け見守りサービス
2019年08月22日新・公民連携最前線
神戸市とNTTドコモ(以下、ドコモ)が、高齢者などの見守りモデル創出のため、プライバシー配慮型生体センサーを活用した高齢者向け見守りサービスの実証実験を実施中だ。期間は7月29日から8月31日まで。参加施設は神戸市中央区の特別養護老人ホーム山手さくら苑。小型ワイヤレスセンサーを5台導入し、介護職員の負担軽減は、実施期間中や実施後に職員へヒアリングして調査する予定だ。
神戸市とドコモは2019年3月に「ICTを活用した安全安心なまちづくり」に関する事業連携協定を締結した。今回の実証実験は、その中のICT・データを活用して地域課題の解決や市民サービス向上を推進するための取り組みの1つ。
実験では、小型のワイヤレスセンサーを介護施設の個室に設置する。高性能小型レーダーが対象者の位置や姿勢、身体の微小な運動などを検知。AIを用いたデータ処理によって、心拍や呼吸数の変化、身体の動きを総合的に判断し、睡眠状態をモニタリングできる。
これらの技術によって、カメラでの監視や機器装着の煩わしさを解消し、入居者のプライバシーを配慮しつつ、負担やストレスをかけずに、介護施設の職員が入居者の睡眠状況や起床状態をリアルタイムで把握することが可能になる。また、介護職員は夜間の巡回や起床介助を適時・的確に実施できるようになるので、職員の稼働削減や負担軽減にもなる。従来の医療機器では実現できなかった継続的な観察で、入居者の体調の変化を把握、より高度な見守りの実現を目指す。
担当者は「今後の予定はまだ具体的には決まっていないが、今回の結果を見て、一人暮らしの老人宅やその他の場所での実証実験も視野に入れたい」と語る。