老人ホーム孤独死「安否確認が不十分」 明石市が調査結果
2019年07月12日神戸新聞
兵庫県明石市の介護付き有料老人ホームで入居者の男性(91)が「孤独死」した問題で、同市は12日、男性のプライバシー配慮を理由に、施設が健康状態や安否の確認を十分に行っていなかったことなどが原因とする調査結果を公表した。
市は11日付で報告書を厚生労働省に提出。市は12日、施設に対し、安否確認を1日1回以上実施するなど再発防止を求める行政指導を行った。
調査は施設職員や入居者、男性の家族を対象に行われ、市職員が計5回の聞き取りを重ねた。
「孤独死」に至った原因について、施設側がプライバシー保護に重点を置く一方、入居者への安全措置に対する認識が不十分だった▽90歳を過ぎた男性の健康リスクに十分な注意がなく、安否確認をこまめに行う認識が不足していた-と結論付けた。
市によると、施設側は「指摘された部分については改善を進めていく」としたという。
男性は5月下旬、死後約2週間が過ぎた状態で発見された。介護保険サービスは受けておらず、家族が職員に見守りを求めていたが、施設側は部屋を訪ねるなどの対応はしていなかった。