【第4部 家 族】「今どこに?」知らせる 安否確認サービス
2019年07月11日中日新聞
衛星利用測位システム(GPS)やインターネットの普及により、離れた家族の安否を確認する「見守りサービス」が多様化してきた。一人暮らしの高齢者や外出した子どもを守るため、利用する人が増えている。
六月初旬、金沢市の高齢男性が石川県内灘町で保護された。男性は、警備会社「ALSOK(アルソック)」グループの北陸綜合警備保障(金沢市)が提供する「見守りタグ」を身につけていた。建物などに設置した感知器などがタグの無線を拾い、GPSの位置情報をセンターに送る。大まかな居場所を特定し、保護に向かう。
感知器のほか、専用アプリを入れたスマートフォンを持った人が近くにいれば見守りタグが反応する。北陸綜合警備保障の岩舩浩介営業本部次長は「屋外ならタグを持っている人の三十~五十メートルに、スマホを持った人が接近すれば位置情報を拾える」と説明した。
このサービスには金沢市が協力しており、今年、感知器を市内四十五カ所に設置。同時に、位置情報を多く取れるように、専用アプリをスマホに入れてくれるように、市民に呼び掛ける。八日現在、登録者は二百九十四人。市地域長寿課の細井一夫課長は「まだ少ない。さらに利用者が増えてほしい」と訴える。
ほかには、ボタンを押すだけでセンターにつながる「まもるっく」という携帯端末もある。一人暮らしや外出先で体調不良になった高齢者や、不審者に遭遇した子ども向けのサービスだ。
GPS機能で現在地を特定して家族に連絡し、家族が安否を確認できないときは、必要に応じ警備員が駆けつける。ボタンを押した人が声を出せない危険な状況でも、遠隔操作で端末から警戒音を出させることもできる。
北陸中日新聞も定期購読をしている読者に、無料の見守りサービス「ほっと・あい」を提供している。利用には登録が必要で、現在、約百五十人が利用中。
配達員がポストに新聞がたまっているといった異常を見つけたら声を掛け、安否を確認する。呼び鈴を何度も鳴らしても返答がない時などは、登録済みの家族らの携帯電話に緊急連絡をする。
問い合わせは石川県・富山県中日会事務局=電076(233)4633=へ。最寄りの新聞販売店でも登録できる。