インフィックの高齢者見守り、家族への緊急連絡機能

2019年05月27日日経新聞

  
介護施設運営やシステム開発のインフィック(静岡市)が、高齢者の在宅自立支援を促す見守りシステムの販売を始めた。これまで介護施設向けだったのを改良し、緊急連絡ができる機能を追加した。家庭用の見守り機器は静岡県内でも電力やガスなど生活インフラ系の大手企業が相次ぎ参入している。介護事業のノウハウを生かして家庭用市場を開拓する。

新システムは「LASHIC home」(ラシク―ホーム)。温湿度や運動量などを感知するセンサーと、呼吸や睡眠状態を把握するベッドシート型センサーに、緊急連絡機能を組み合わせた。スマートフォン(スマホ)やパソコン向けのアプリとセットで、一人暮らしの高齢者や離れて住む家族に売り込む。

運動量や睡眠状態を感知するセンサーは主に介護施設向けに販売していた。緊急連絡はボタンを押すだけで家族などに異常を知らせ、スマホで通話もできる。事前に登録した番号につなぐため、詐欺被害などの防止にもつながるとみる。3つの機能をセットにすることで、日々の体調や生活習慣をチェックしながら緊急時にも対応する。

インフィックは小規模多機能型の介護施設を中心に展開。施設内だけでなく、通所する高齢者の自宅にも感知センサーなどの機器を導入してもらい、在宅時でも見守れるようにしている。こうしたシステムを家庭向けに販売し、在宅自立支援を促す。介護の必要がない元気な高齢者でも、体調を確認したいといった家族のニーズは高く、商機があるとみる。

近年、あらゆるモノがネットにつながるIoT技術を使った、子供や高齢者向けの家庭見守り機器が相次ぐ。ドアや窓の開閉、小型カメラなどを使ったものが多く、県内でも中部電力、静岡ガス、TOKAIグループ、鈴与商事など生活インフラ企業が参入している。

一方、インフィックは高齢者向けに特化したのが特徴。「運営する介護施設の現場の声を反映しながらシステム開発するのが強み」(増田正寿社長)という。例えば感知センサーは、カメラを使うよりも高齢者の精神的な負担が軽減でき、運動量や睡眠状態をデータ化することで、危険防止の発見の精度を高められるという。

ラシク―ホームは、3つの機器の本体料金がそれぞれ1万9800円。利用料は各月額980円。5年後に累計2万台超、売上高7億円を目指す。