子どもら見守りにIoT 袋井市が実験 GPSで居場所表示

2019年02月18日読売新聞

 
 袋井市は、あらゆるものをインターネットにつなぐ「IoT」を活用して、子どもや高齢者の居場所を全地球測位システム(GPS)で確認する実証実験を始めた。市が目指すのは、地域が見守り役となる体制づくりだ。

 実験では、中部電力の子ども見守りサービスを利用する。第1弾として、市立山名小学校1~2年生の希望者に5センチ大の小型端末を持たせて、GPSで現在の居場所を保護者のスマートフォンに表示する。児童の登下校を通知するほか、1週間前まで遡って移動した履歴を確認できる機能もある。

 端末やアプリの使用料は市が負担し、3月末までの期間中に最大330人の参加を見込む。インターネットのアンケートで保護者に使い勝手などを尋ねる。

 4月以降に高齢者約50人を対象とした第2弾を実施し、2020年度には独居老人や障害者の見守りに向けた調査研究も行う。ボランティアや遠方の家族らが安否を確認できるようにして、子どもも高齢者も安心して暮らせる地域づくりに生かす。市ICT街づくり課は「地域ボランティア活動などをIoTで補完し、ゆるやかな見守り体制をつくりたい」としている。