IoTスタートアップ13社の取り組みからわかる「IoTで何ができるのか」

2019年02月04日ビジネス+IT

 
IoT(モノのインターネット)が盛り上がりを見せている。IDC Japan が2018年9月に発表した報告によると国内IoT市場における2022年の支出額は11兆7,010億円になるという。製造工場のマシーン、日常生活で使用する道具や機械、あらゆるものがインターネットに接続され、新たなビジネスやサービスが続々と生まれている。本稿ではJ-Startup選定企業およびデロイト トーマツ イノベーションサミット参加企業などをもとに注目すべきスタートアップを13社ピックアップし、その事業内容とともに紹介する。各スタートアップの課題意識や発想は、自社の事業のヒントとなるかもしれない。

ノバルス:機器をIoT化させる乾電池

 IoT導入支援企業。自社商品として乾電池型IoT製品「MaBeee」「見守り乾電池」などがある。

 創業者の岡部顕宏氏は精密機器メーカーのセイコーインスツルにもともと勤務し、プライベートでさまざまな企業の人が垣根を超えて集まり交流するサークル活動「ヤミ研」の運営に携わっていた。岡部氏は「ヤミ研」で活動する中で「MaBeee」の着想を得て、「ヤミ研」のメンバーから助言をもらいながらアイデアをプラッシュアップしていくことになる。そして、電子基板とソフトのプロトタイプを完成させ、乾電池型IoT製品というアイデアが固まった段階で起業を決意する。

 同社のIoT製品「MaBeee」は乾電池の形状をしており、乾電池を使用する機器になら何にでも装着できる。たとえば「MaBeee」をミニ四駆に装着するとスマホアプリでミニ四駆のオンオフだけでなく速さも制御することが可能となる。

 また、「見守り乾電池」も乾電池の形状をしている製品で、使用する機器に装着するとその器具が「見守り機器」になる。たとえば1人暮らしの高齢者のテレビリモコン、ガスコンロなどの機器に「見守り乾電池」を装着すると、機器の利用回数を家族がモニタリングして安否確認に利用できる。また「MaBeee」「見守り乾電池」などの自社商品開発で蓄積したIoTのノウハウを活かし、日用品から工場の機械まで、IoT化を支援する事業も行っている。

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