HTB、見守りロボット販売 事業の柱に育成
2019年04月16日日経新聞
テーマパークのハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)は16日、スタートアップ企業などと共同開発した高齢者向けコミュニケーションロボットの販売を始めると発表した。携帯電話回線で家族と音声や文字でやり取りできるほか、親しみやすくするためにクマのぬいぐるみを使っている。沢田秀雄社長は新製品の開発を続け、事業の柱に育成する方針を明らかにした。
ロボット製造スタートアップのユカイ工学(東京・新宿)などと共同開発した「TELLBO」(テルボ)はぬいぐるみの腹部にあるスイッチを押してメッセージをふき込むと、携帯回線を通じて登録したスマートフォン(スマホ)に音声と文章で届く仕組み。家族側も音声や文字でやり取りすることができる。
ドアなどにセンサーを取り付ければ、開閉などで外出したかどうかなどが分かるようになる。また、温度や湿度などを感知するセンサーも使うことができ、夏に高齢の親にエアコンを稼働させて気温を下げるように伝えることも可能になる。
センサーは全部で4種類あり、人の接近の検出やカギの開閉が分かる機能を持つものもある。本体とぬいぐるみ、ドアセンサーなどをセットにして3万9600円(税抜き)で販売する。通信料は1カ月1290円(同)かかる。
HTBのウェブサイトで5月31日から発売する。ネット通販を中心に販売し、軌道に乗れば小売店などでも取り扱ってもらうようにする。2年以内に5000台の販売をめざす。沢田社長は「数カ月後には新製品の投入を計画している。改良や開発を続けてロボット販売事業を将来的に数百億円、数千億円稼ぐ事業に育てたい」と意欲を示した。