東電・東ガス・都水道局、検針業務を共同で自動化

2016年2月03日日経新聞

 東京電力と東京ガス、東京都水道局は2日、検針業務を自動化する共同事業を始めると発表した。2020年の東京五輪の選手村(東京・晴海)を大会 後に転用する集合住宅に電気やガス、水道の使用量を随時把握するスマートメーターを導入。検針業務の効率化でコスト削減につなげるほか、入居者の省エネル ギーや高齢者の安否確認などに役立てる。

 東電など3事業者は同日、実務協議会を設置した。スマートメーターはこれまで事業者が個別に設置するケースはあったが、電気やガス、水道が一体的に取り組むのは珍しい。

 選手村は臨海部の晴海地区の敷地(約44ヘクタール)に中層マンションを整備。大会後は高層マンションも新設し、計約6000戸の大規模な住宅街にする計画だ。

 共同事業では各戸に電気やガス、水道の使用量を計測するスマートメーターを設置。各検針データは共同の通信網を通じて、各事業者が取得する。

 戸別訪問が中心となっている現在の検針に比べ運用コストを圧縮できる。通信インフラなどを共用することで、各事業者の投資負担や維持管理費を抑える考えだ。

 入居者にとっては電気やガス、水道の使用状況を随時把握できるため、無駄遣いを防ぐきっかけにもなる。

 一人暮らしの高齢者が水道を一定期間使わないといった異変も早期に察知し、遠隔地の親族らに知らせる仕組みも導入する。

 都は2日から、水道の最先端技術やノウハウを国内外に発信する「東京水道イノベーションプロジェクト」を始めた。スマートメーターの共同事業は同プロジェクトの柱と位置づける。