見守りランプ:独居高齢者の安否を確認 ものづくりマイスター、宮崎さんが考案 行橋・元永自治会 /福岡

2016年1月20日毎日新聞

 高齢化率が4割を超える行橋市元永の自治会が、独居高齢者の安否を確認するランプを手作りした。朝に家の中のスイッチを入れ玄関外の発光ダイオードが点滅、地域の見回り担当者がスイッチをオフにして安全と確認し、スイッチが入っていないと声掛けをする仕組み。ランプは「今日も元気かチェック器」と名付けられ、間もなく希望者宅への設置が始まる。【山本紀子】 

 元永区は約180世帯のうち約30世帯が独居高齢者。孤独死を防ぐため自治会は一昨年の4月から見守り希望者を募り、高齢者1人につき担当者4人が交代で毎朝、安否確認を始めた。新聞の有無や声かけでチェックしてきたが、統一した方法にと昨夏から、電気を使った装置が作れないか模索を始めた。 

 通信機器会社に勤めていた副区長の宮崎栄樹さん(68)が、量販店で器具をそろえ独自の機器を考案。たばこ箱大のプラスチックケースに電池3本と基盤を据え、ケーブルでつないで家の内外で光がともるようにした。厚生労働省の「ものづくりマイスター」でもある宮崎さんは「これは私の仕事と思ってやった。雨にぬれてもいい箱を探すのが大変だった」と振り返った。 

 元永区では2014年4月に独居高齢者が風呂上がりに倒れ、3日目になって近所の人が発見して搬送され助かったことがあった。また近隣でも、80代女性が家の中で倒れ死後1日以上たってから見つかる事件もあった。 

 区長の中島一悦さん(76)は「団塊の世代の高齢化が進む中、地域の安全に生かしたい」と話す。ランプの希望者は16人おり、順次取り付けに回る。費用は1基5000円程度で、市の補助金などで賄う予定だ。