4人に1人弱『社会的孤立』 地域ネットワーク構築を

2006年12月19日 東京新聞

 一人暮らしの高齢者のうち、4人に1人弱が「社会的孤立状態」-。孤独死が問題となる中、高齢者の実態を調べている明治学院大学の河合克義教授が中心となって、港区をモデルに実施したアンケートで、こうした報告がまとまった。独居高齢者の一定層が、親族や近隣とのかかわりから遠ざかっている、あるいは社会参加していない様子が浮き彫りになった。
河合教授は、「孤立を防ぐ地域のネットワーク構築が重要だ」と指摘している。(金杉貴雄)

 河合教授は、港区社会福祉協議会に持ちかけ、区の協力を得て、一人暮らし高齢者の生活実態と社会的孤立について調査を実施。企画・分析は同教授が中心となって行った。

 対象は、民生委員らの訪問調査で実態上一人暮らしと分かった区内の65歳以上、4161人(2004年12月時点)。この中から40%を無作為抽出してアンケート用紙を郵送、964人から回答があった。回収率は57.9%。

 アンケートで河合教授は、社会的孤立についての質問項目の中で「親族関係」「近隣関係」「社会参加」の3つの指標を設定。具体的には、「親族とのつながりが深い正月三が日を1人で過ごした」「親しい友人知人がいない」「社会参加活動をしていない」-という3問のうち、2つ以上に「該当する」と答えた高齢者は「社会的孤立状態」にあると分析した。

 その結果、回答者のうち220人、22.8%が2つ以上に当てはまると回答。3つとも該当した高齢者も53人、5.5%いた。

 このほか、より限定的で明白な社会的孤立として設定した「緊急時に誰も来てくれる人がいない」との問いには、15.9%が「いない」と答えた。

 河合教授は、「孤独死の問題は、独居高齢者が社会的に孤立していることの延長線にある」と指摘。「地域のネットワークのほか、親子が別世帯でも近くに住むことができる環境の整備、社会参加活動への機会提供など、国や自治体が困難な課題に取り組んでいく必要がある」と話している。

 今後、同教授は他地域でも同様の調査をし、地域的な分析なども進めていきたいとしている。