『ゼロ作戦』先進地に学べ 都の民生委が対策に“本腰”

2006年12月12日 東京新聞

 「相手のどこまで入ってよいのか分からない」。高齢者らの孤独死などを防ぐため、都内の各自治体が実施している見守りネットワーク協力員の1人は、現場の苦悩を打ち明けた。個人情報やプライバシーの「壁」をどう乗り越えるか。先進地の千葉・松戸に学ぶ都民生児童委員連合会の研修会には、そのヒントが隠れていそうだ。

 新宿区の戸山団地。高齢者専用棟の100戸を含む計12棟1569戸に約1200世帯が暮らす。世帯主の約7割が65歳以上で、極端な高齢化が進んでいる。

 戸山団地を受け持つ民生委員は4人しかいない。これを補うような形で、区内でボランティア280人が地域見守り協力員として登録し、希望した人に月2回、話し相手になっている。

 60歳代のある見守り協力員には「インターホンを押すか、電話にするか迷う」という人がいる。できれば会うように心がけて玄関の前でインターホンを押すが、会話が続かない。話のきっかけにしようと「リンゴ食べますか」と声を掛けたら「リンゴは嫌い」。顔を見たくて「見守りの者です」と扉を開けるよう頼んだら「今パジャマだから」。

 協力員が行くのは希望者だけなのに「うるさいから来ないでほしい」と嫌がる高齢者もいる。また、希望しない人は当然、見守りネットの枠外にある。

 戸山団地自治会の鴛谷(おしたに)幸男会長(77)は、都民連の研修会の後に「民生委員に集まってもらい、行政も加わって、どうするかの対策を考えたい」と話した。(築山英司)