新宿でシンポ 住民主導こそ

2006年10月29日 東京新聞

 孤独死の防止に取り組む住民らがパネリストとなり、28日、東京都新宿区で開かれたシンポジウム「高齢者の孤独死を考える」では、「行政任せにしない、住民の自発的な取り組み」を呼びかける声が目立った。 

 「孤独死ゼロ作戦」を掲げる千葉県松戸市の常盤平団地自治会の中沢卓実会長は「地域で困った人をどう支え、どう助け合うかが問われている」と指摘。「対策は住民主導型でなければだめだ。役所や民生委員任せでは長続きしない。上からの福祉でなく、住民からの『地域福祉』でなければ」と呼びかけた。

 地元・新宿区の都営戸山団地自治会の山内松枝副会長は、緊急用の連絡名簿をつくったり、自宅のかぎを、近隣に預けることを呼びかけたりしていることを紹介。「隣の家をのぞいて、異変に気づくこともある。一番大切なのは、人とのつながり」と話した。

 同区民生委員の古屋正義さんも「近所で声をかけあう、なごやかな地域づくりが重要だ。気軽に高齢者が集まれる『サロン』を、もっときめ細かくつくっていくことも必要だ」と述べた。