埼玉の猫好き主婦が運営のNPO 高齢飼い主と猫の見守り事業開始

2025年10月07日毎日新聞


 埼玉県南部を中心に動物愛護や適正飼養に関する普及啓発活動などに携わるNPО法人「ねこネットワーク」(蕨市、鈴木智恵代表)は、猫と一緒に暮らす高齢者や要支援者の見守りを始める。定期的に訪問することで生活の状況を確認し、飼い主と飼い猫が安心して暮らせるサポートをする。見守りを希望する高齢者を募集している。

 同団体は昨年、設立。同5月、同市や川口市などに住む猫好きの主婦らとNPО法人化した。家庭で余ったペットフードを保護された犬猫へ届ける「ペットフードドライブ活動」のため、川口市のイオンモールや同市内のドラッグストアなどにボックスを設置。保護猫、保護犬の譲渡会なども開催。能登半島地震の際は、被災したペットを支援するため、ペットフードやトイレ砂などを集めて、地元のボランティアと被災者に届けるなどした。

 キャットシッターの仕事も手掛ける鈴木さんは、飼い主の入院や施設への入所、死去などでペットが自宅に取り残されているケースを数多く目の当たりにしてきた。

 このため、見守り事業を通じて「孤立する飼い主をサポートしたい」と決意。猫と暮らす単身高齢者らを見守りつつ、飼い主らが飼えなくなってしまった猫がいれば速やかに保護。場合によっては里親を探し譲渡する仕組みを作りたい考えだ。
 鈴木さんは「猫の世話をすることで心身ともに癒される。入院しても、『愛猫が待っているから』と手術やリハビリを頑張って元気に自宅に戻るケースをいくつも見てきた」といい、「自分に何かあった時に愛猫はどうなるのかという不安を安心に変えるために、高齢の飼い主を見守り、飼い猫の命を守りたい」と話した。

 問い合わせは、ねこネットワーク(048・287・3676)。