「帰省したら、親の衰えを感じた」「心配で電話しても、出てくれない」…スマホで簡単に安否確認できるお薦めの【見守りサービス一覧】

2025年09月29日週刊現代


いま、高齢者の安否確認ができる「見守りサービス」を使う人が増えている。親が元気なうちに、宅配業者や警備会社、家電やセンサーなど、どんなサービスがあるのかをチェックしておこう。

弁当を渡しながら服薬の声がけもする

「私の母は認知症ですが、岩手にある実家に一人で暮らしています。今朝も、見守りカメラのスピーカー機能で声をかけると母は起きて、ヘルパーさんの介助でデイサービスに出かけていきました。同居しているかのように暮らせるのは、見守りカメラのおかげです」(介護作家の工藤広伸氏)

「これまで、実家に一人で住む母が『食後の薬を飲んでいるか』『日にちを間違えて病院に行っていないか』と気になって電話していました。でも、母はなかなか電話に出ないので不安になるし、何度もかけ直すのも面倒でした。後に見守りサービスを利用したおかげで母の安否が簡単にわかり安心できました」(『見守りテック活用入門講座』などの著書がある和田亜希子氏)

今、高齢者世帯の3割以上は一人暮らしだといわれる。介護が要らない元気な親が一人暮らしをしている場合でも、自宅で転んだり脳梗塞で倒れたりしたら、誰も気がつかず助けることができない。賃貸物件で孤独死したら、高額な清掃・修繕費を請求されてしまうかもしれない。

そんな事態を防ぐべく、子供の代わりに親の見守りをしてくれる「見守りサービス」を使う人が近年は増え、その種類も多岐にわたっている。今から利用し始められるサービスを見ていこう。



最もわかりやすいのは、宅配業者が配達と同時に安否確認もしてくれるサービスだ。
全国350店舗体制で月間約300万食を高齢者に宅配する宅配クック123(シニアライフクリエイト)は、弁当を直接手渡して声がけするほか、希望すれば1日2回、昼食と夕食を配達してくれる。

「服薬のお声がけ、お弁当の室内までのお届け、適切な室温のチェック等を、ご希望があれば実施しています」(広報広聴課の担当者)

センサーが、寝る体勢から心拍数まで検知

ワタミの宅食(ワタミ)は、訪問は平日に週1回だが、追加料金を払えば水回りやカギのトラブルなどにも対応する。広報室担当者によれば、会った時には「昨日はよく眠れましたか」「本日の体調はいかがですか」「お金に関わることで不審な出来事や電話などありませんでしたか」など、5つの質問をするという。
そのほか、郵便局のみまもりサービス(日本郵便)の訪問は月1回、全国で対応可能だ。

親の安否や生活リズムがスマホから気軽に確認できるのは、家電やセンサーによるサービスだ。設置すると人の動きや温湿度を検知して、異変があれば子供のスマホに通知する。導入が容易で安価なため、見守りサービスの最初の一歩に選ぶ人も多い。

たとえばまもりこ(ネコリコ)は、冷蔵庫に取り付けた小型端末がドアの開閉を検知、24時間開閉が行われない場合に通知してくれる。月額550円と安価でWi‒Fiも要らない。

LASHIC(インフィック)の場合、ベッドに敷いたシート状のセンサーが心拍数や動きを知らせてくれる。スマホ大の板状センサーもあり、一定時間人の動きがない場合や、部屋の温湿度から熱中症リスクがある場合に通知する。

パナソニックが提供するあかりdeみまもりサービスは、見守りとわからないほど生活に溶け込む。専用のLED天井照明は、消灯と点灯の操作がスマホで確認できる。

「'27年末で蛍光灯の製造は終了しますから、ご自宅に蛍光灯があれば、これを機に、ぜひLED天井照明への交換をご検討ください」(企画担当者)

遠く離れて暮らす親の顔を直接見て話せるという点では、テレビ電話が最も安心な手段だ。たとえば、ちかく(NTTドコモ/チカク)の端末を、親の家の居間にあるテレビにつなげれば、そのままテレビ電話となる。朝、親が居間に起きてこない場合は子供のスマホに通知。緊急事態だと感じたら、親の操作なしに居間の様子を端末のカメラで見たり、スピーカーで話しかけて安否確認もできる。