電池で高齢者見守り、三原市が実証実験 リモコンなどの使用状況を家族に知らせる

2025年04月27日中國新聞


 広島県三原市は、電池の使用状況を通じて離れた場所にいる高齢者に変わりがないかをスマートフォンのアプリで見守るシステムの実証実験を始めた。1人暮らしや高齢者だけの世帯が増える一方、地域の関係が薄まる中、本人や家族の安心につなげられるか検証する。

 東京のスタートアップ(新興企業)が開発したサービス「みまもり電池」を利用する。単4電池にカバー形の本体を装着し、単3電池としてテレビやエアコンのリモコン、センサーライトなどにセットする。機器の作動を検知すると、本体から近距離無線通信「ブルートゥース」やインターネットを通じて、離れた家族たちのスマホアプリに使用状況を伝える。

 実証実験では、本体と単3電池を電源とする高齢者宅用のテレビのリモコン、ドアの開閉センサー、専用の通信機を無料で貸し出す。65歳以上の独居か高齢者のみの計15世帯を対象に半年程度、使用してもらう。参加者には4月中旬から発送を始めた。

 使い慣れた家電の稼働に基づいて高齢者の無事を家族たちへ伝えるため、カメラなどと違ってプライバシーを侵害せず見守られていることを意識させないという。家電や機器が24時間使われない場合は、「異常」としてアプリに通知する。

 市内の65歳以上の人口は2023年度で約3万1600人。57%が高齢者だけの世帯だった。サービスを利用する場合は毎月の定額制で、本体などを購入する必要があるため、市高齢者福祉課は「有効性を確認できれば、機器の購入費などの補助を検討したい」としている。