孤独死しても愛猫を道連れにしたくないので「見守りサービス」について調べてみた

2025年03月30日@DIME


国立社会保障人口問題研究所の「50歳時の未婚割合」によると、1920年(大正9年)の50歳時の男性の未婚率は2.17%。100人に2人程度だったが、2015年には23.37%。95年間で10倍以上、4人に1人にまで増えている。一方女性の方は、1920年の1.80%から14.06%と、こちらも7倍以上に増えている。厚生労働省は、2040年までに、「50歳時の未婚率」は男性29.5%、女性18.7%まで上昇すると推計している。

こうした未婚率の上昇から、問題視されているのが「孤独死」の急増だ。

筆者は結婚しているが、子どもはいないので、伴侶に先立たれた場合は孤独死する可能性が非常に高い。それはそれでしかたないとあきらめているが、あきらめきれないのは、愛猫の命と生活だ。できれば私が孤独死した直後に信頼しているペットシッターさんに駆けつけてもらいたいし、その後も愛猫が幸せに生きていけるように準備しておきたい。

とはいえ、人間、いつ孤独死するかはわからない。そう考えて、孤独死した時にすぐに愛猫のケアをしてもらうために、どんなシステムがあるかを調べてみた。

STEP1…見守りサービスを利用して、孤独死を伝える

なにはともあれ、孤独死したことを知ってもらわなければならない。とはいえ、年をとるにつれつきあいも減ってくるし、つきあいがあってもネットでのやり取りが多く、孤独死していても気づいてもらえない可能性が高い。そこで利用したいのが、NPO法人エンリッチが運営する、LINEによる見守りサービスだ。

これは、LINEの応答で1日1回、生存確認をしてくれて、確認できなかった場合に親族や友人、もしもの際に行動してくれる人に連絡をとってくれるというサービスだ。利用料金は無料で、サービスの流れをごく簡単にあらわすと以下の通り。
※詳しくは「エンリッチ」公式サイトの「見守りサービス」で要確認

見守りサービスに登録

一定の頻度でLINEにシステムから安否確認が送信される

受信した側は「OK」をタップする。

「OK」のタップが無かった場合は、24時間後に再度安否確認を送信

再送後3時間以上経過しても確認が取れない場合は、登録している利用者本人に直接、電話で連絡

直接電話でも安否確認が取れなかった時には、あらかじめ登録しておいた近親者や親しい友人などに連絡

※近親者は2人分登録が可能で、近親者がいないため市区町村のケースワーカーや民生委員、住宅の管理会社や管理人などを登録している人もいるとのこと。

エンリッチは代表理事の紺野功氏が、自身の弟の孤独死をきっかけに立ち上げたサービス。「もう少し発見が早ければ助けられたかもしれない」という無念さから、「もしも」をいち早く発見するための仕組みとして、見守りサービスを開発して2018年にスタートさせた。スマホのLINEを利用していれば誰でも利用でき、現在、延べ19,131名が登録している(2025年2月末現在)。

他にもエンリッチに個人情報を登録しなくとも、近親者や大切な人(2名まで)のLINEにもしもの通知をダイレクトに送る「安否通知サービス」も始まり、利用者が拡大しているという。

ちなみに2025年2月に発売された「私が死んだあとも愛する猫を守る本」(富田園子著/日東書院)という本の第3章「命のバトンタッチを成功させる」には、一人暮らし向けの見守りサービスが7種類+スマホの見守りアプリ6種類(どちらもQRコード付き)、自治体の見守り制度、弁護士や行政書士との見守り契約など、見守りの方法が豊富に紹介されている。そのほかにも「負担付き遺贈」「ペット信託」など、愛猫を誰かに託すための手続きが詳細に紹介されていて、一人暮らしで猫の飼育の将来に不安を感じている人にとって必読の書だと感じた。

STEP2…ペットシッターに連絡

見守りサービスは2人分の連絡先が登録可能なので、近親者以外に、家の鍵を預けているペットシッターさんに連絡を入れてもらう。ペットシッターさんには前もって「万が一の場合は連絡がいくのでよろしく」とお願いしたい内容を伝え、前払いで料金を支払っておく。これで孤独死したとしても、愛猫が餓死する不安はとりあえずなくなるはずだ。

STEP3…保護猫団体に預けてもらう

筆者が夫に先立たれ、孤独死した時には、愛猫を預けられるような近親者がいない可能性が高い。

そこで私が想定しているのが、東京キャットガーディアンが運営している「ねこのゆめ」というシステムを利用すること。これは、「愛情があっても、(病気やケガ、老衰による施設への入所など)飼育が困難になった猫」を施設で引き取り、新たな里親を探すシステム。里親が見つからなかった場合は終生、同団体の施設で暮らすことができる。

つまり、前もって「ねこのゆめ」を契約しておき、信頼でいるペットシッターさんに、同団体の施設に預けてもらうというのが、筆者の計画だ。

筆者はこの施設を何度か取材したことがあり、フォスターペアレントとして、持病のある猫を経済的に支援している(※関連記事「下半身不随の猫・まるちゃんとの出会いによって決断!保護施設にいる動物を金銭面で支援する「フォスターペアレント」という選択肢」。

フォスターペアレントになると、月1~2回、自分が支援している猫についての報告が届くが、「自分が世話をしても、ここまでできるだろうか」と思えるほど、行き届いたケアをしてもらっているのを見ているので、安心して預けられる。

「ねこのゆめ」の費用は1頭につき273,600円(税別)だが、引き受け時に健康等に問題がなく、譲渡の見込みの高い3歳以下であれば同団体の判断で、163,000円(税別)で引き取る場合もあるとのこと。また「すぐにではないけれど、いつかに備えたい」という場合には、毎月3,800円(税別)×6年間の積立も可能。積立の場合、満期前に愛猫が亡くなったら手数料を除いて全額、返金してもらえる。
※詳しくは「ねこのゆめ」参照

ちなみにこのシステムを利用した人の事例は以下のとおり。

・両親の飼っていた猫の里親を探しているが、中々見つからないため、頼みたい。
・急逝した家族の飼い猫を大切にしたいが、自分は出張が多く猫を見てやることができない。
・事故にあって、世話ができなくなってしまった。
・(ケアマネージャーから)担当する高齢者の方が、飼育が困難になってしまった

万が一の準備をしておけば、長い人生を猫と暮らせる

保護猫を里親として引き取る場合、終生飼養の観点から、60歳~65歳の年齢制限を設けられることがほとんど(何かあった時に猫の世話を任せられる「後見」人がいれば制限はもう少し緩くなることがある)。

とはいえ、人生100年時代だ。おひとり様でも愛猫さえいれば、心豊かで幸せな人生をおくれるという人も多いはず。孤独死を恐れて猫との暮らしをあきらめるよりも、いつ孤独死しても愛猫が幸せに暮らし続けられるような準備をしつつ愛猫と暮らすほうが、トータルでの人生のQOLは確実に上がる気がする。