配食、見守り、ごみ出し支援…高齢者向け行政サービスを活用しよう
2025年03月04日日刊ゲンダイ
離れて暮らす高齢の親の心配を始めると、あれもこれもとキリがなくなる。かといって頻繁に様子を見に行くこともできない。
日常生活に危険がないか、急な体調変化にどう対応するか、自動車や自転車の運転が安全にできているのか--心配のタネはつきない。遠隔で何か役に立つことはできないかと悩んでいる人は多いだろう。
そういう時はまず、親の住む地域でどのような行政サービスがあるか調べてみることを勧めたい。今の時代ならネット環境さえあればほとんどの情報が手に入るからだ。検索キーワードは「市町村名、高齢者、行政サービス」あたりでいいだろう。すると筆者の親の住まいだと次のようなサービスが紹介されていた。
・配食サービス 栄養バランスのとれた夕食を自宅に届けるとともに安否確認を行う。1食400円。
・緊急通報システム 救助が必要な時など、ボタン一つで市が委託する事業者につながる機器の設置。1カ月500円。
・見守り安心GPS貸与 認知症などによる高齢者のひとり歩きに対し、家族がパソコンなどの端末から居場所を調べることができる探知機の貸し出し。1カ月500円。
・認知症高齢者等見守りシール交付 徘徊がみられる高齢者らが保護された時、発見者が家族と早期に連絡をとるためのシール。初回40枚無料。
・お元気コール 地区の高齢者相談室から定期的に電話連絡し安否確認と生活不安を和らげる。無料。
・理髪サービス 外出困難な高齢者宅に理髪業者を派遣しサービスを提供。1回1000円。
・移送サービス 医療機関や福祉施設などへの通院や通所にかかる費用の一部助成。タクシーの初乗り運賃分。
・ごみ出し支援ふれあい収集 ごみを集積所まで出すことが困難なひとり暮らしの高齢者らに、戸別収集を実施。無料。
これらのサービスはひとり暮らし、要介護者と限定しているものもあるが利用価値が高い。一方、高齢の親はサービスの存在を知らなかったり、手続き方法がわからないケースが多々ある。子が両者をしっかり結びつける役目を担うことが、親孝行の一環ではないだろうか。