シニア世代を見守るテレビ電話。安心・シンプル・誰でも使える新提案
2025年02月28日ASCII.jp×デジタル
アイ・オー・データ機器は2月20日、新サービスのテレビ電話機「memet(めめっと)」発表した。memetは、複雑な設定・操作がいらない、誰でも安心して使える専用テレビ電話。5人に1人が後期高齢者になると言われている2025年に、アイ・オー・データ機器は自社初となるサブスク型テレビ電話システムで見守りニーズに切り込む。
同社によると、シニア世代にとって、友人・知人と食事・雑談している時、孫など家族との団らんの時といった対人コミュニケーションが最も生きがいを感じる時間だという。
しかし、核家族化が進んだことで子世帯・孫世帯とは離れて暮らし、頻繁に連絡を取り合うのは難しい。現在はスマートフォンという便利なコミュニケーションツールがあるものの、操作が複雑で簡単には覚えられず、分からないままに余計な操作をしてしまい、必要ないアプリに課金してしまったり、ネット詐欺に巻き込まれたりするリスクもある。
3人のみ連絡先の登録が可能 シニア世代に優しい提案
memetは、画面一体型のテレビ電話専用端末。あらかじめ設定しておけば、親側は本体の電源コンセントをつなぐだけで利用できる。操作もシンプル、既に設定されている3つの連絡先のボタンを押し、通話ボタンを押すだけ。
電話がかかってきた場合は通話ボタンを押すだけ。タッチ液晶方式ではなく、クリック感のある物理ボタン方式を採用している。これも、乾燥肌で反応が悪かったり、押せたか分からなかったり、そんな操作感の不安があったシニア世代への優しい提案だ。
子ども側の設定も簡単。IO専用アプリをスマホにインストールし、memetの液晶画面に表示されるQRコードを読み込むだけ。これにより、1つのボタンに1つの連絡先が割り当てられる。登録できる連絡先(スマホ)は3人(3台)となる。特に連絡を取りたい3人(家族など)との連絡のみに使用する安心デバイスだ。
memetは機能が絞られているので使い方のレクチャーが非常に簡単なことと、3つの連絡先にしかつながらないので、SMSや電話などによる特殊詐欺に引っかかる心配がなく、セキュリティー面でも安心だ。
月1時間980円から、音声通話は無制限
memetの通常本体価格は1万9800円で、利用には月額のサービス利用料金が必要となる。サービス利用料金は、「プレミアムプラン 毎月8時間 1980円」、「ベーシックプラン 毎月4時間 1480円」、「ライトプラン 毎月1時間 980円」。それぞれ時間を超越した場合は音声通話に切り替わる(無制限)。SIMを内蔵しており、アイ・オー・データ機器とのサービス契約をするだけでよく、キャリアとの契約は不要。
2月20日からMakuakeで先行予約をスタート、超超早割を利用すれば本体料金は30%オフの1万3860円で購入できる。プロジェクトの掲載終了は3月18日。製品出荷は4月上旬でゴールデンウイーク帰省に間に合うタイミングで購入者に届ける。
なお、3月下旬にから一般販売を予定。Wi-Fiモデル(買い切り)の発売も検討中だ。
脱・スマート化で社会課題に対応
アイ・オー・データ機器は今回のmemet事業を展開するにあたり、「脱・スマート化」を掲げている。1台の端末にすべての機能を集約することで便利にはなったが、その一方で複雑すぎて使いこなせない、使い続けられない、トラブルに巻き込まれるといったデジタル弱者も多く生み出している。その結果、コミュニケーションの断裂が起き、社会が分断される懸念もある。
アイ・オー・データ機器は、単に機能をシンプルにするだけでなく、実利用者が使い続けられるシンプルさを追求した製品を開発することで、高齢化社会という社会課題に対応していく考え。
今後、memetの技術を活用し、いつでもケアマネージャーやかかりつけ医とコンタクトをとれるサービスなど、医療・介護業界をサポートする取り組みも検討中だ。