【まもりこ】冷蔵庫のドアの開け閉めで安心を得る

2025年02月15日日刊ゲンダイ


 冷蔵庫のドアの開け閉めで高齢者の見守りが行える「まもりこ」。これを手掛ける「ネコリコ」は、センサーで生活の「ちょっとした不安」や「心配ごと」を解決するさまざまなサービスを手掛けている。

「たとえば、温度センサーが室温を感知して自動でクーラーがつくようにしたり、振動センサーを窓につけて防犯窓にしたりなどです。『まもりこ』の開発は、ある自治体さんからセンサーを使って高齢者の見守りができないかと要望をいただいたことがきっかけでした」(広報営業担当の山下晃信さん)

 最初は、どのようなセンサーが高齢者や見守る人に負担なく見守れるか、ピンとこなかったという。

「自治体さんと実証試験を重ねていくうちに実感するようになって、ブラッシュアップしていった感じです。冷蔵庫のドアや浴室、トイレのドアで実証してみたのですが、独居の高齢者の中には毎日お風呂に入らない方や、トイレのドアを開けっ放しの方が結構います。しかし冷蔵庫なら飲み物や食品を取り出すのに1日1回は開けることがわかり、2021年に個人向け高齢者見守りサービス『まもりこ』をスタートさせました」

 冷蔵庫推奨とはなっているが、振動を検知するセンサーのため、他のところに設置することもできる。薬箱や血圧計の容器といった利用者もいるという。

「設置の仕方は至ってカンタンです。まずこのまもりこ端末を冷蔵庫に設置し電源コンセントにつなぐだけ。後は見守る方がアプリをインストールして、画面の説明に沿って端末を登録していただければ、その日から見守ることができます。スマホには異常があった時のみ“お知らせ”が届きます。知らせは1日3回(8時、14時、20時)と決まっています」

 過去の記録もカレンダー状に表示され、利用者の生活パターンや傾向なども分かるようになっている。

「朝晩冷蔵庫が開いていることが分かれば、ちゃんと食事をしていると一目瞭然。毎日電話をかけることも案外大変ですけど、なにかあった時だけにアプリに知らせが届くので、さりげなく見守りができてストレスがないと利用者の方々に喜ばれています。見守られる高齢者もボタンを押すこともないし、ただ冷蔵庫のドアを開け閉めするだけで、普段通り生活していただけます」

「ゆるっと見守り」がコンセプトのこの見守りシステム。縁起の良い亀甲と青海波の模様をあしらったデザインが目を引く。人と人との絆を結ぶお守りでもある。

 料金は初期費用として本体価格・通常版1万3200円(ACアダプター同梱版1万4300円=ともに税込み)と、月額550円。