【ハローライト】電球の「オン」「オフ」が元気のサイン
2025年02月11日日刊ゲンダイ
IoT電球は「明るく照らす」という本来の役割に、さまざまな機能を付加した電球のこと。このIoT電球を用いた見守りサービスが「ハローライト」だ。開発した「ハローテクノロジーズ」代表の鳥居暁氏が言う。
「『ハローライト』は当初、別の目的の電球として開発しました。GPSが届かない施設内や地下空間などで位置情報を提供する目的でした。しかし残念ながらその需要はあまりなかったんです」
ある時、福祉関係者との会話で、電球を活用してさりげなく見守りができるのではないかという話が出てきた。鳥居氏の頭には、すぐにそのイメージが浮かんだ。
「遠くの田舎にある実家の電球の点灯が、ハローライトなら都会にいても分かるかもって。それをきっかけに、改めて高齢者の見守りを意識したシステム開発をスタートさせました」
当初の「ハローライト」は電球以外にも通信装置が必要で、セットアップの手間がかかった。電球と通信装置を一体化できればいいが、電球内が高温になるため、かなりの難題。「一番苦労した点ですね」と鳥居氏が言う。試行錯誤の末、電球の一体化に成功し、かつ初期版より値段を下げた現商品が出来上がった。
改良版は、電球をソケットに取りつけ、見守る側のスマホやパソコンが電球の点滅情報を受信できるように設定するだけ。電球の点灯・消灯で親が普段通り生活を送っていることがわかる。
「設置場所として一番多いのはトイレです。あらかじめ決めた時間(たとえば朝7時から夜9時までなど)の点灯情報を知ることができます。点灯の形跡がない場合は、見守る側へ異常の通知が送られてきます。見守られる側としては、監視カメラなら拒否感も持たれるでしょうが、電球ならいいと評価をいただいています。システムがシンプルなので息子さんや娘さんが親に説明してもすぐに理解してもらえます」
ネット通販で購入の場合、月々の費用は495円。ここに初期費用1万780円がかかる。運送会社に申し込む方法もあり、こちらでは配達員が電球を設置し、見守りも行う、二重のサポートサービスが受けられる(別途料金がかかる)。
「一人住まいの高齢者の自立をサポートする一部の自治体さんとも連携していますし、ハローライトを高齢者のアパートやマンションの賃貸条件にする大家さんもいます」
見守る人にしっかり伝わるこのライト(気軽な)な見守りは、これからますます必要とする人が増えそうだ。