水道の検針自動化、横浜市がモデル事業実施へ 東電の通信網を活用
2025年01月18日朝日新聞
【神奈川】横浜市は、東京電力パワーグリッド(東京)の通信ネットワークを活用してスマートメーターで水道使用量を確認するモデル事業を10月から始める。それに先立ち、水道スマートメーターと電力スマートメーターの通信試験を16日、報道機関に公開した。
市によると、現在は410人(2023年度時点)の検針員が約200万戸を訪問し、目視でメーターを確認しているが、スマートメーターが導入されると遠隔で確認できるようになる。全戸設置が実現すると年約19億円の人件費削減が見込まれるといい、市は検針の効率化や人手不足への対応策として期待を寄せている。
さらに、スマートメーターで水の不使用を察知することで高齢者の見守りや災害時の断水エリアの特定にもつながるという。
市は19年度から携帯電話回線を使ったスマートメーターのモデル事業を実施したが、導入や通信にかかる費用が高いことが課題となっていた。
そこで今回は、東京電力PGが全戸に設置している電力スマートメーターの通信ネットワークを利用する。16日の通信試験では、水道スマートメーターが水没したり、土砂で埋まったりした場合の通信状況を確認していた。
モデル事業の対象は、保土ケ谷区や西区、中区にある約1千戸の住宅や店舗。通信の安定性や通信コストの低減について検証した上で、28年度から水道スマートメーターの設置拡大に向けて取り組んでいくという。
市の担当者は「今のところ人で検針した方がコストは低いが、大きな自治体が導入すれば(機器の)生産体制を作れて費用が安くなることが期待できる。担い手不足への対応も計画的に行っていきたい」と語った。