民生委員なり手不足深刻 孤立死防止安全網に危機 2050年推計で独居高齢世帯が半数

2024年11月12日北海道新聞


 2050年に北海道内の高齢世帯の5割近くが1人暮らしになるとの見通しを示した国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計は、地域住民の高齢化が進む自治体に厳しい将来像を突きつけた。高齢者の見守り役を務める民生委員の需要は高まる一方だが、道内は各地でなり手不足が深刻化している。このままでは孤立死を防ぐ地域のセーフティーネットが機能不全に陥りかねない。

 民生委員は1人暮らしの高齢者宅を訪問し、悩みを聞き取る。行政や福祉サービスに橋渡しをしたり、日常生活の手助けをしたりする役割も担う。独居世帯の増加に伴い民生委員を必要とする人は増えているが、なり手は減少の一途をたどる。

 道などによると、道内の民生委員は今年9月末時点で1万1251人。20年度末に比べ310人減り、定数に対する欠員は708人に上る。平均年齢は60代後半。民生委員自身の高齢化が進んでいるのが実態だ。

 北海道民生委員児童委員連盟(札幌)はなり手不足の背景に、定年延長で働くシニア層が増えたことがあると分析する。少ない人数で多くの高齢者を見守る民生委員も散見され、同連盟には「地域を回りきれない」との声も寄せられている。

 馬川友和事務局次長は「地域の人間関係が希薄化する中、民生委員が1人暮らしの高齢者のセーフティーネットとなってきた。なり手が減れば、孤立する高齢者が増える」と懸念する。

 淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)は「見守り役を担う民生委員が高齢化によって見守られる側になれば、地域の互助機能が破綻し、孤立死が増える恐れがある」と指摘。「高齢者の日常的な見守りを民生委員任せにするのではなく、公的サービスに移行していく議論が必要だ」と話す。

 2050年に北海道内の高齢世帯の5割近くが1人暮らしになるとの見通しを示した国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計は、地域住民の高齢化が進む自治体に厳しい将来像を突きつけた。高齢者の見守り役を務める民生委員の需要は高まる一方だが、道内は各地でなり手不足が深刻化している。このままでは孤立死を防ぐ地域のセーフティーネットが機能不全に陥りかねない。

 民生委員は1人暮らしの高齢者宅を訪問し、悩みを聞き取る。行政や福祉サービスに橋渡しをしたり、日常生活の手助けをしたりする役割も担う。独居世帯の増加に伴い民生委員を必要とする人は増えているが、なり手は減少の一途をたどる。

 道などによると、道内の民生委員は今年9月末時点で1万1251人。20年度末に比べ310人減り、定数に対する欠員は708人に上る。平均年齢は60代後半。民生委員自身の高齢化が進んでいるのが実態だ。
 北海道民生委員児童委員連盟(札幌)はなり手不足の背景に、定年延長で働くシニア層が増えたことがあると分析する。少ない人数で多くの高齢者を見守る民生委員も散見され、同連盟には「地域を回りきれない」との声も寄せられている。

 馬川友和事務局次長は「地域の人間関係が希薄化する中、民生委員が1人暮らしの高齢者のセーフティーネットとなってきた。なり手が減れば、孤立する高齢者が増える」と懸念する。
 淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)は「見守り役を担う民生委員が高齢化によって見守られる側になれば、地域の互助機能が破綻し、孤立死が増える恐れがある」と指摘。「高齢者の日常的な見守りを民生委員任せにするのではなく、公的サービスに移行していく議論が必要だ」と話す。