地方で暮らす親を見守ってくれる民間企業サービスとは

2024年10月30日マイナビニュース


「都心では物価が高いので、生活していくのが大変だ」または「地方は物価が安いので、生活費が都心に比べてあまりかからない」と世間で言われていることは、本当なのでしょうか。

お金の扱い方について、都心部と地方部では、違いがないのでしょうか。連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながら、お金に関する情報などをお伝えいたします。

前回のコラム(第151回)では、一人暮らしの高齢者の生活をサポートしてくれる自治体のサービスについてお伝えしましたが、今回は、民間企業が行っている「高齢者の見守りサービス」事業についてお伝えいたします。

■郵便局
サービス名:みまもり訪問サービス
利用料金:月額2,500円
サービス内容:
【1】郵便局員が月に1回定期的に、利用者(高齢の親など)のもとに直接訪問する。1回の訪問時間は、最大30分。
【2】郵便局員が利用者に対してさまざまな質問をして生活状況を確認する。
【3】利用者の生活状況を写真つきで、離れて暮らす家族に報告する。
特徴:月額2,500円のなかには、下記のサービスが含まれている。
・入院補償の保険に加入している。
利用者が日常生活の中でケガをして入院した場合に、日額3,000円×入院日数(最大30日)の保険金が支払われる。ただし、病気で入院した場合は、対象外となる。
・下記の3つの電話相談窓口を利用者およびその家族ともに利用することができる
 ⅰ「メディカルアシスト」24時間気軽に医療相談ができる。
 ⅱ「デイリーサポート」法律、税務、社会保険に関する相談ができる。
 ⅲ「介護アシスト」介護に関する相談ができる。
・健康に関するコラムや日本各地の美しい景色など、リラックスして読める情報誌を毎月郵便局員が訪問時に持参し、利用者に渡す。
・MYSYAYSホテルグループの宿泊施設が10%割引で利用できる。

■アルソック(ALSOK):綜合警備保障株式会社
サービス名:HOMEALSOK みまもりサポート
利用料金:利用者(高齢の親など)の自宅に設置するコントローラーを購入するのか、レンタルするのか、初期費用の負担を抑えたいかで、下記の3つの料金プランから選択できる。なお、すべて消費税込みの価格である。
<お買い上げプラン>
月額料金1,870円+工事費13,365円(初回)+機器費57,200円(初回)
<レンタルプラン>
月額料金2,838円+工事費13,365円(初回)、機器費の費用負担なし。
<ゼロスタートプラン>
月額料金3,069円、工事費と機器費費用負担なし。
サービス内容:
【1】自宅に設置したコントローラーの「緊急」ボタンを押した場合、ガードマン(警備員)が駆けつける。
【2】自宅に設置したコントローラーの「相談」ボタンを押した場合、看護師等が常駐するコールセンターに24時間いつでもつながる。体調や介護に関するなど相談できる。
特徴:あらかじめ持病やかかりつけの病院などの情報を登録しておくと、救急車による搬送が必要になった場合、駆けつけた救急隊員への引継ぎが可能である。

■象印マホービン株式会社
サービス名:みまもりほっとライン
利用料金:ポット1台につき、月額3,300円(税込)+初期費用5,500円(税込)
サービス内容:利用者(高齢の親など)が、みまもりほっとライン専用のポット(新品)を使うと、その使用した操作情報が本体に搭載されている通信機器により、離れて暮らす家族に通知される。なお、ポット自体が通信機能を持っているので、インターネットやWi-Fiは不要で、設置工事も不要である。届いたポットを通常どおりに使うだけでよい。
特徴
・情報通知サービス:1日3回、利用者宅のポットの使用状況を、離れた家族などにメールで通知する。使用状況には「電源投入」「給湯」「外出(お出かけ)」などの操作情報だけでなく、「未操作時間」や「空だき」といった情報も含む。
・メールリクエストサービス:最新のポットの使用履歴を知りたい場合、リクエストすればいつでもメールで確認できる。
・ホームページサービス:直近1週間分のポット使用状況としてグラフ表示ができたり、過去1年間の使用状況をみることができたりするので、長期間にわたる生活リズムの変化を確認することができる。

終わりに

民間企業が行う「見守りサービス」は、その企業の特徴を活かしたサービスですね。1つめの郵便局は、誰もが知っている郵便局の局員の訪問であれば、高齢の親も受け入れるのではないでしょうか。

2つめのアルソックは、防犯対策を専門とする会社の警備員が、いざというときにボタン1つ押すだけで駆けつけてくれるというのは、安心感があると思います。

3つめの象印マホービンは、専用のポットを高齢の親が通常通り使用するだけで、離れた家族にポットの利用状況が通知されるというもの。改めてなにか新しい行動を起こすことなく、今まで通りの生活のままそっと見守ることができます。

今回ご紹介したサービスの中にもさらに便利で役立つオプションもあるので、興味のある方はサイトの詳細をご覧ください。