「転倒」「脳卒中」など高齢者のリスクを“早期発見” ドコモ、YKK APなどがレーダー・通信技術で即対応 業界連携で生活全体を見守る仕組みへ

2024年10月07日FNNプライムオンライン


NTTドコモやYKK APなどは、一人暮らしの高齢者を対象とした見守りプラットフォームを発足させた。レーダーや通信技術を活用し、転倒や体調急変を検知し迅速な対応を図る。専門家は、事業者間の連携がサービス普及の鍵と指摘した。

高齢者見守りの新プラットフォームを発表

自宅での転倒や、体調の急変を検知し、いち早く病院に搬送する仕組みを目指す。

ドコモグループやYKK APなどは10月4日、一人暮らしの高齢者などを見守る業界横断のプラットフォームを発足させたと発表した。

つまずくことによる転倒のほか、脳卒中や、心筋梗塞による意識障害の多くが、家などの生活空間で発生しているとして、まずはレーダーで転倒を検知すると、ドコモが持つ通信技術などで連絡や通報を行い、早期の搬送につなげる仕組みを展開する。

疾病リスクの早期発見や医療機関の受診を促すことで、医療費削減などの社会課題(解決)に貢献してまいります。

現在は、病院や介護施設、住宅で実証実験を進めていて、2025年度のサービス開始を検討している。

需要拡大へ多様な支援で対応強化

「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。

海老原優香キャスター:
こうしたニーズ、今後さらに高まっていきそうですね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
高齢者の見守りサービスのニーズが高まっています。その背景には、高齢化が進み、一人暮らしの高齢者がこの20年間で2倍に増加したことがあります。

海老原キャスター:
今後、さらに増えていきそうですね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
見守りサービスには、「見守る」ための手段によって、さまざまな種類の取り組みがあります。

「電子機器」は、家電や照明の使用状況、電力使用量の異常をセンサー等で検知して知らせる取り組みや、「健康データ」については、スマートウォッチ等で心拍数や、血中酸素等の生体データ(バイタルデータ)を把握し、異変を検知したら家族に知らせる仕組みがあります。

海老原キャスター:
データも大切ですが、対話も必要ですよね。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
「ロボット」を使うサービスでは、対話型のロボットや、コールセンターのスタッフが話し相手になることで、安全確保と共に認知機能の維持にもつなげています。

さらに「人」の役割は重要で、定期的な訪問や異変があった際に、警備スタッフや地域の配送業のスタッフが駆け付けるサービスなどもあります。

生活全般で高齢者を支える仕組みが重要

海老原キャスター:
今後さらに広めていくためには、どういったことが必要なんでしょうか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
今後、見守りサービスを更に広げていくには、複数の事業者同士の連携が鍵を握ります。

既に高齢者を個々の場面で見守るサービスはありますが、これからは生活のあらゆる場面で高齢者を見守って、異変に早く気付いてリスクを減らすことが大切です。そのためには事業者同士の連携が重要です。

事業者にとっても相互に連携をすることで、初期投資やコストを抑えながら事業を展開できることにつながります。事業者同士の連携が進み、高齢者の見守りサービスが、社会の機能として日常化していく展開に期待します。

海老原キャスター:
こうした見守る手段を活用することももちろん大切だと思いますが、普段から声かけをしたり、会いに行ってみるなど、コミュニケーションを取ることも忘れないようにしたいですね。