TOPPAN、自治体が発信する高齢者向けの情報を一元管理できるアプリを開発

2024年09月13日TECH+


TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANは9月13日、自治体や「通いの場」の運営者が発信する高齢者向けの情報を一元管理できるアプリ「高齢者ICT支援アプリ」を開発し、提供開始したことを発表した。

なお、価格は、初期費用が10万円(税抜)に加え、アプリ利用料が36万円~(税抜)/100IDとなっている。

アプリの概要

同アプリは、自治体用管理画面、運営者アプリ、利用者アプリで構成されており、自治体用管理画面では、情報発信/情報閲覧履歴、保健イベントへの参加状況などを一元管理することができる。

運営者アプリでは、通いの場の運営者が、参加している利用者へのイベント情報発信を実施することができる。利用者アプリでは、自治体と通いの場運営者が発信する高齢者向け情報やイベント案内などが、見やすい画面で分かりやすく表示されるという。

なお同アプリの提供開始に先立ち、北海道中川郡池田町エリアで推進されている、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」において、情報配信によるイベント参加促進および出欠管理などの各種データ取得を目的に採用され、池田町社会福祉協議会で活用されている。

開発の背景

急速な高齢化が進んだことによって、支援する側の人手不足が発生しており、見守りや情報の受発信が簡単に実現できる仕組みとして、ICTの活用が必要不可欠になっている。

しかし、高齢者へスマートフォンの普及は進んでいますが、ID/PASSの管理や難しい操作などは難易度が高く、高齢者に特化したユーザビリティが求められている。

特に自治体が発信する情報に関しては、抜け漏れなく届ける必要があるため、ICT活用が進んでいない現状がある。
このような中でTOPPANは、高齢者に合わせた見やすいインターフェースや、情報の閲覧履歴を自治体が確認できるアプリとして「高齢者ICT支援アプリ」を開発した。

「高齢者ICT支援アプリ」の特徴

高齢者ICT支援アプリの特徴としては、大きな文字で項目を表示するなど、見やすいデザインで構成されていることや、自治体が利用者に向けて個別に発行するQRコードを用いてログインができるため、高齢者が文字を入力することなく、利用を開始することができることがあげられている。

これによって、情報伝達の抜け漏れを防ぐことができると同時に、自治体や通いの場運営者が実施する保健事業への出欠履歴や歩数なども取得することができるため、自治体が実施する高齢者向けのさまざまな事業の効果測定や新たな施策を検討する参考データとして活用することもできる。

加えて、運営者が情報発信できるアプリも用意。通いの場の運営者が、参加している利用者へのイベント情報発信、現場でのイベント出欠管理などを実施することもできる。

TOPPANは、同アプリを自治体などに提供を進め、2028年までに100自治体以上への採用を目指す。また、TOPPANグループが提供する、住民ごとの関心に合わせた発信などができる自治体向けポータルサービス「クラシラセル」や、住民からの要望の投稿/集約/対応管理をワンストップで実現するサービス「PosRe」などとも連携を進め、行政サービスの利便性や、住民満足度の向上に貢献したい考え。