超高齢社会の買い物を支援、高齢者向けプリカ決済「KAERU」が1.3億円を調達

2024年08月16日BRIDGE


エイジテックとフィンテックを融合させたサービスを展開する KAERU は8日、直近のラウンドで約1.3億円を調達したと発表した。ラウンドステージは不明。

このラウンドには、かんぽ NEXT パートナーズ、ツクイキャピタル、名南 M&A、OKB キャピタル、ユナイテッド(東証:2497)、市原真理子氏、篠原豊氏、杉山純一氏、古野了大氏が参加した。これは同社にとって、2022年3月に明らかにしたプレシリーズ A ラウンドに続くものだ。累積調達額は明らかになっているものだけで約2.7億円に達した。

KAERU はネットプロテクションズや LINE 出身の岡田知拓氏により2020年10月に創業。高齢者向けのアシスタント機能・見守り機能付き決済(プリペイドカード)サービス「KAERU」を提供している。KAERU は調達資金を活用し、サービスの提供価値強化と B2B2C モデルでの顧客基盤拡大を目指す方針だ。

具体的には、高齢者本人向け、離れて暮らす親を見守る家族向け、身寄りのない人を見守る行政向けなど、それぞれのニーズに適したサービスを展開していく予定だ。

KAERU が解決を目指す社会課題の背景には、日本の急速な高齢化がある。2030年には認知症当事者が532万人、軽度認知障害(MCI)の人を含めると約1,100万人に達すると推計されている。これは高齢者の約3割、全人口の9%に相当する。KAERU は、認知機能の低下が起きても自分らしく生活できる社会インフラの整備を目指している。

特に、金銭管理に支障が出ている高齢者に対し、現金を前提とした従来のシステムの問題点を解決する仕組みを提供する。