物価高で男性の“孤独死”が増える? 翻訳本が話題…交友関係「広い」が半減の調査結果も
2024年06月11日日刊ゲンダイ
5月に出版されたトーマス・ジョイナー著「男はなぜ孤独死するのか」(晶文社)という翻訳本がネット上で話題に。この本を取り上げた〈かなりおもしろいが身につまされる話〉という、書評家を名乗る人のXの投稿がバズったこともある。
ジョイナー氏は米フロリダ州立大学の心理学教授で、何でも孤独を引き起こす3つの要因は〈男は対人スキルを学習しないまま大人になる〉〈男は自立を重んじプライドが高く、人の手を借りるのが苦手〉〈男は家族や友人よりも仕事、地位、お金を優先する〉なんだとか。確かに身につまされる人もいるのでは。
東京都中央区にあるスナックの40代ママは「社会的地位の高い“お偉いさん”ほどプライドが邪魔をするのか、お店で仲良くなる“飲み友達”をつくるのが下手だったりしますよね」と苦笑いするが、ちょっと気になる調査結果が……。
インターネット調査などを手がける「マイボイスコム」のライフスタイルに関する調査(5月実施、9490人回答)によると、交友・交流関係が「広い」と思う人は、「かなり」と「やや」を合わせて14.9%。2007年調査の28.5%から半減しているのだ。
当然ながら「狭い」と思う人は6割弱と増加傾向に。交友関係は広ければいいってものでもないし、狭くて深い関係だってあるが、半減となると気になる。
「男の人って飲んで酔って“本音トーク”をしないと、仲が深まったりしない。女みたいにカフェで友達とおしゃべりなんてできないし、オジサンになるほど1人飲みが気楽だからと、関係をキープする努力をしなくなるでしょ。そりゃ友達だって減りますよ」(前出の40代ママ)
それでなくても先のコロナ禍で、生活スタイルもかなり変化した。脚本家でライターの源祥子氏がこう言う。
「ステイホームで自然消滅した人間関係も結構ありますし、飲みに行く回数が減ってそれに拍車がかかった。この物価高で生活が苦しくなり、交際費を削るようになって、飲みに行かないというより行けない人も増えた。お互いの家計を気にして気軽に飲みに誘いにくい感じですし……交友関係を広げるどころか、維持するのさえ難しいというのが本音では」
実際、前出のマイボイスコムの調査では、経済的なゆとりがある層では交友・交流関係が広いと思う人の比率が高いという結果が出ていた。
年金も先細りなんてことになれば、孤独を抱えて死ぬ男が増えそうなイヤ~な予感が……。