自宅電球で高齢者見守り

2024年06月07日タウンニュース八王子版


 町田市が新しい「高齢者の見守り」を4月から始めた。一人暮らしの高齢者の自宅のトイレや廊下などの電球を通信機能を有したものにし、一定の時間内に点灯や消灯の動きが無い場合、家族などにメールを届け、見守りにつなげる。市は高齢者が安心して住み慣れた街で生活し続けるようにしたい考えだ。

 町田市内に住む75歳以上の一人暮らしの人が対象。大手運送会社のヤマト運輸の見守りサービスを活用するもので、午前9時から、翌日の朝8時59分の間、点灯や消灯の動きが無い場合、事前に登録した家族や友人などの最大4人にメールが届く。受信後、様子を確認しにいくことができない場合は委託事業者であるヤマト運輸に代理訪問を依頼することもできる。

 同様の取り組みを2022年に開始した稲城市は、対象となる高齢者をおおよそ2千人と想定し始めたところ、3年目を迎えた現在300人を超える利用があるという。

 町田市の担当者は「既に何件かの申し込みがある。どなたでも気軽に始められるもの。多くの方に利用してもらいたい」と呼びかける。

見守り側も

 町田市がこの事業をスタートさせたのには見守り側の高齢化がある。一人暮らしの高齢者に対しては、これまで周辺の自治会や町内会などに属する地域住民らが担うことが少なくなかったが、見守り側の高齢化が進み、「人の手」による見守りが難しくなってきた現状がある。

 そんな状況を見据え、町田市は今後、人の手を介さずに高齢者を見守る仕組みを確立させていきたいとし、「高齢者の見守りに関して、転換期にあると考えている」と話している。

諸条件あり

 このICT(情報通信技術)機器を活用した見守りサービスを利用するには、住民税が非課税であることなどの条件がある。

 12カ月間は無料(電気代は自己負担/予算が無くなり次第終了)で、その後、サービスを継続する場合はヤマト運輸との契約(月額:1078円※4月1日時点)になるという。