県内初! 薬局を拠点に高齢者の孤立防ぐ“支え合い”の取り組み「みま~も」新庄市でスタート 山形

2024年05月09日FNNプライムオンライン


高齢者の孤立を防ぐ活動が新庄市でスタートした。薬局を拠点として高齢者の異変をいち早くキャッチし、地域で「見守り」を行う県内初の取り組みだ。

(健康体操)
「今から準備体操いきます!」

新庄市の薬局。毎週木曜日、待合スペースは近所のお年寄りたちの健康体操の会場に変わる。

(スタッフ)
「お水を飲みましょう」

初めて参加した女性にスタッフが声を掛けた。

スタッフ「どうでした? 体操してみて」
参加女性「いい運動になりました」

(メディカほし薬局・星利佳さん)
「“誰か”の声掛けがあったら、孤立や認知症を改善できる人に、手が届かないシーンがたくさんある」

薬局で始まった高齢者の「見守り活動」。生みの親は、社長で薬剤師の星利佳さん。

(星利佳さん)
「患者さんから『あそこの家、一人暮らしでずっとカーテン閉まっている』と教えてもらっても、私たちが勝手に行くわけにいかない。市役所に連絡しても『行政の支援にはうまくはまりませんでした』と返事を受けたのがきっかけ」

見守り活動「みま~も」は、2008年、東京で産声を上げた。4月、新庄市に設立された「みま~も・もがみ」は、全国13カ所目。
この日は、地域全体で支え合う上での課題を話し合った。

(活動に賛同する新庄市民)
「ストーブに灯油を入れられず、部屋の温度が4℃だったとか…。そういうことができない人たちがけっこういる」

(作業療法士)
「外部との関わりを、自分からシャットアウトしてしまう人もいる」

(星利佳さん)
「そういう人も多いよね、きっと」

(移送サービス業)
「地域貢献のための活動なので協力する」

(星利佳さん)
「『みま~も』って、何だか良くわからないのに来てくださり、本当にありがたかった。できることから少しずつやっていきたい」

(健康体操)
「口を大きく開けるイメージで」

「だれでもらうんじ」と名付けた薬局の待合スペースで、まずは活動をスタート。
誰でも自由に入ることができ、スタッフは体操教室などを通して、体調や心の異変を感じ取る。

(星利佳さん)
「病気して困っている方などの、ちょっとした困りごとを包括支援センター・社会福祉協議会・警察・消防などと連携して、適切なところにつなげて行きたい」

薬局の中には、病気や栄養について学べる本を置く「おしゃべりとしょしつ」や、人工肛門の利用者・オストメイト用の「だれでもといれ」も整備した。

(星利佳さん)
「ここは人と人とが出会う場所。人と人がつながって、笑顔で暮らせる地域にしていきたい」

新庄の薬局で始まった新たな取り組み。
誰もが安心して年を重ね、暮らしていくための支え合いの輪が広がっている。