マイナカードで児童や高齢者の見守り、交通利用 朝日町が新サービス

2024年04月26日朝日新聞


 マイナンバーカードを子ども、高齢者の見守りや公共交通の支払いに使う。こんな新たな住民サービスを富山県朝日町が始めた。今後、民間のサービスとの連携や、地域通貨の流通などへの活用を探る。

 名称は「LoCoPi(ロコピ)あさひまち」。国が進めるマイナカード活用のモデル事業の一つとして、2023年度に約2億9千万円の交付金を受け、広告大手の博報堂と取り組んだ。

 利用には登録が必要だ。学校、図書館などの公共施設や催し会場で読み取り機にカードでタッチすると、日時や場所が登録済みのアドレスにメールで通知される。子どもはマイナカードではなく、専用のカードを使う。

 小中学生の登下校や、高齢の親族の安否を確かめられるほか、町内で通用するバス回数券やデジタル商品券の情報をカードに書き込み、タッチして支払える。タッチする度にたまるポイントは、特産品などが当たる抽選への参加に使える。

 約1万1千人の人口に対し、マイナカードの交付率は2月末で80・8%と県内で最も高い。町によると、ロコピには同月末時点で1629人が登録。読み取り機は約30台を設置済みで、今後、拡大してゆく予定。災害時、避難者の把握などに応用することも考えられるという。

 笹原靖直町長は「防災面でも活用を進めたい。消滅可能性都市として名前が挙がる町の課題を先進的に解決し、全国の参考事例になれば」と話す。