デジタルで高齢者の生活支援 札幌市が厚別区で新事業開始

2024年03月05日読売新聞


 札幌市は2月28日、高齢化が進む厚別区のもみじ台・青葉町エリアで、タブレット端末などを活用して高齢者を支援する新事業を開始した。国のデジタル田園都市国家構想交付金2億円と市費2億円の計4億円を活用し、デジタルで高齢者の暮らしを支える新モデルを検証していく。

 市によると、貸し出された端末や個人のスマートフォンで、地域ニュースの受信や、血圧や歩数といった健康情報の管理など様々なデジタルサービスが利用できる。利用には専用IDの登録が必要で、開始時点で住民約270人が登録している。

 市は、参加者やサービスを随時広げて成果を検証し、対象地域の拡大も検討していきたいとしている。

 もみじ台には約50年前に住宅団地が整備されたが、現在約1万3000人の住民のうち50%が高齢者だ。青葉町も高齢化率が45%に上り、いずれも全市の平均(28%)を大きく上回る。

 青葉町自治連合会の土田義也会長(82)は「高齢者が多いので、スマホを使うところからスタートの人もいるが、地域での見守りや支え合いまで発展できれば」と話した。