独居高齢者をセンサーで見守り 兵庫・宍粟、官民で実証実験

2024年02月07日毎日新聞


 兵庫県宍粟市は、市社会福祉協議会(社協)と連携し、独居高齢者の安否確認をする「見守りネットワークサービス」の実証実験を2月から始めた。福祉機器メーカー「テクノスジャパン」(姫路市)の見守りセンサーを活用し、主に介護保険で「要支援1・2」の認定を受けた65歳以上の20~30人を対象に有用性などを確認する。

 センサーはトイレなど自宅内で頻繁に利用する場所に設置される。利用者を8時間感知しなかった場合、社協や登録家族らにメールで通知が届く。社協は利用者らに電話で安否を確認し、できなかった場合は市地域包括支援センターにも連絡が届く。社協などが対応するのは平日の日中のみだが、家族らはいつでもスマートフォンから確認可能。夜間・早朝に動きが多い場合などにもメールが届く。

 宍粟市の高齢化率は37・4%(2023年12月末時点)で、高齢者の1人暮らし世帯は1514世帯(24年1月18日時点)と全世帯の約10%を占める。

 市はこれまで、地域住民同士の連携に加え、郵便局や新聞販売店に安否確認の協力依頼をするなど対策を進めてきた。しかし「今まで見守る側だった人も見守られる側になりつつある」(市担当者)状況が進んでいる。

 実験は25年1月末まで。本格導入に向け、センサーが異常を検知する度合いや社協職員らの業務負担の程度などを確かめる。市の担当者は「困っている人がきちんとSOSを出せるよう、どんなシステムが最適かを検証したい」と話している。