介護の人手不足 外国人受け入れ、ICT化の事業所は配置基準緩和へ
2023年12月01日朝日新聞
介護の人手不足に対応するため、厚生労働省は30日、外国人の受け入れやICT(情報通信技術)化を進める事業所の介護職員の配置基準を緩和する方針を示した。少子高齢化で人手不足はさらに深刻化が見込まれ、規制緩和で効率化を図る。同日の社会保障審議会の分科会で提案し、大筋で了承された。来年度からの実施をめざす。
現在、経済連携協定(EPA)や技能実習生の外国人職員は、就労開始から半年たたないと人員配置基準に算定できないが、このルールを見直す。一定の経験のある職員と組んでケアすることなどを要件とし、就労開始直後からの算定を認める。事業者側から「日本人と同様に勤務している」(全国老人福祉施設協議会)など緩和への要望があった。介護で働く外国人の数は、全在留資格の総数でみると約4万6千人。見直しにより増やす考えだ。
ICT化ではセンサーなど夜間の見守り機器に加え、スマートフォンでの介護記録作成などを導入した場合に報酬を加算する。またICT化を進めた介護付き有料老人ホームでは、人員配置基準を従来の「3対1」から「3対0・9以上」に緩和する。特別養護老人ホームなどへ広げることには、委員から「実証を重ね、慎重に検討すべきだ」との意見が出た。