不明の高齢者発見にGPS貸し出し 群馬
2023年11月26日朝日新聞
高齢者の見守り活動に力を入れているとして、群馬県高崎市の一般社団法人「暮らし見守り振興センター」が、群馬県警から感謝状を贈られた。認知症などで外出したまま帰宅ができない高齢者が増える中、同センターは、GPS端末を貸し出して早期発見につなげている。
高崎市からの委託を受け、2015年からGPSによる高齢者の発見、保護活動を始めた。市内に住む高齢者の家族らを対象に、無料でGPS端末を貸し出している。高齢者の家族から「祖父が帰宅しない」などと連絡を受けると、センターの職員が専用端末を使い、GPSの位置情報を特定。家族に連絡したり、県警に情報提供したりする。
端末は4センチほどで、カバンに入れたり杖につけたりして持ち運びできる。今年度は10月末までに211件の捜索依頼があり、すべてで早期の発見につながったという。高崎市民が対象で、市役所で借りられる。
16日に県警本部であった感謝状の贈呈式で、同センターの浅賀丈史代表理事(48)は「今後も高齢者やその家族が安心して暮らせるように、少しでも力になり続けたい」。県警の田村正男生活安全部長は「高齢者の徘徊(はいかい)は社会問題となっており、早期の発見が人命に直結する。場所が特定できるのは、最も効果的だ」とコメントした。