ベッドから生活リズムや健康状態のデータを収集 入居者を見守り、最適な介護へつなげる
2023年10月31日NEWSポストセブン
介護人材の不足は現在22万人、2040年には69万人に及ぶと厚生労働省が推計している(*)。この社会問題に立ち向かう、介護サービス企業大手のSOMPOケアの最前線を訪ねた。
同社運営の介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)には最先端の見守り支援システム『睡眠センサー』が導入されている。入居者のベッドのマットレスの下に、センサーが内蔵されたシートを設置することにより、ベッドの上で横たわっているのか、起き上がっているのかだけでなく、入眠しているのか、覚醒しているのかを検知。呼吸数や心拍数などのデータも収集するため、体調変化の早期発見につながる。
収集したデータはパソコンなど端末でわかりやすく可視化され、職員が入居者一人ひとりの生活リズムや健康状態を把握できる。これによって状態に合わせた最適な介護態勢を構築し、看護・医療との連携強化も図ることができる。このシステムを導入している介護付きホーム「SOMPOケア ラヴィーレ多摩川」上席ホーム長の春野寛至氏は、現場での効果をこう語る。
「たとえば深夜に行なう見守り巡回では、職員の入室によりご入居者さまが目を覚まされてしまうことがありましたが、先にデータを確認することで寝ているご入居者さまを起こしてしまうことがなくなりました。同じようにトイレの時間帯も予測し、その前に援助を組み込むなどの手厚いサポートをしています」
加齢とともに睡眠障害に悩む人は増える。この施設でも睡眠薬を服薬している入居者がいるが、睡眠サイクルの把握は減薬の可能性も秘めている。
*厚生労働省HP「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」(令和3年7月9日)
SOMPOケアの介護付きホーム
介護が必要な高齢者が、24時間常駐する職員による食事・入浴・排泄などの介護サービスを受けながら暮らせる「介護付有料老人ホーム」(要支援1~要介護5 ※施設によっては要介護1からの入居)
◆そんぽの家
自分の時間を大切にできるよう全居室が個室仕様で、台所や浴室を備えたタイプが多い。各専門職員が「チームケア」でサポートする。前払金0円(一部ホーム除く)が基本の利用しやすい料金体系
◆ラヴィーレ
ラウンジやカフェなど上質感のある共用空間が充実。介護・医療の専門職員が密に連携する「チームケア」で入居者をサポート。アクティビティも多彩で、入居者の自立支援につながる介護を実践する
◆ラヴィーレグラン
ワンランク上の居室を用意。家族と過ごせるダイニングやバーなど多彩な共用空間が生活に彩りを与える。コンシェルジュによる生活支援、24時間医療連携やリハビリテーションなど健康支援も充実
SOMPOケアのサービス付き高齢者向け住宅
バリアフリーに対応した高齢者向け賃貸住宅。安否確認や生活相談などの生活支援サービスがあり、生活自由度が高いのが特徴(自立~要介護5)
◆そんぽの家S
ワンルームマンションのような生活空間に、生活支援サービスをプラス。職員が24時間常駐し緊急対応や安否確認を行ない、心身の状態に応じて介護・医療サービスを自由に選ぶことができる
◆ラヴィーレレジデンス
プライバシーに配慮した住空間設計で、ワンルームから夫婦で暮らせる2LDKまでを用意。コンシェルジュが暮らしに寄り添い、医療機関や在宅介護事業所とも連携。介護が必要になっても安心して住み続けられる
その他のホーム
◆グループホーム
9名以下の少人数で共同生活を送れる入居サービス。要支援2以上で認知症と診断、常時、医療機関での治療が必要ないことなどが利用条件
◆ケアハウス
自治体の助成が受けられるサービス。60歳以上で生活に不安・困難がある人のための「自立棟」、要介護1以上の人のための「介護棟」を用意する
「ホーム」の他にも訪問介護や通所介護(デイサービス)など、生活を支える多様な介護サービスを全国各地域で展開!