高校生が “高齢者を助けるアプリ”開発 目的は「孤立死を防ぐこと」(静岡県)

2023年08月16日静岡第一テレビ


高齢者に代わって若者がさまざまなお手伝いをする「アプリ」を高校生が開発し、実証実験を行いました。このアプリ、ただお手伝いをするだけではなく“ある目的”がありました。

“高齢者お助けアプリ”を考えたのは、静岡県立伊豆伊東高校3年生のこちらのグループ。

(伊豆伊東高校3年生)
「伊豆伊東レンジャーZ、高齢者と若者をつなぐアプリです」
「コミュニケーションや交流ができるのがいいところ」

この「伊豆伊東レンジャーZ」は高齢者が“草取りや買い物”など代わりにやってほしい「要望」と「その日時」を登録。アップされた「要望」を若者が検索して、実際に“お手伝い”をしたら、その人から報酬としてポイントがもらえるという仕組みです。

(伊豆伊東高校3年生)
「地域戦略論という授業で、班で地域の課題を解決するために考えた」
伊豆伊東高校の3年生は、授業の一環で“地域が抱える課題”などをビジネスを通して解決する「プラン」をグループごとに作成しています。この「ビジネスプラン」は9月が提出期限の日本政策金融公庫が主催する「高校生ビジネスプラン・グランプリ」に応募する予定です。

(伊豆伊東高校3年生)
「全国で高齢者の孤立死が増えてきていて割合も高く、それを減らしたい。課題ができた」

アプリを考えたグループの本来の目的は“孤立死を防ぐこと”。地域の高齢化問題に着目し、お手伝いをしながら高齢者の見守りをしていこうと考えたのです。
そして実際にアプリを作ったのは、横浜市にあるアプリ開発などを手掛けるITベンチャー企業。これまで授業に招かれ高校生たちにアドバイスしてきました。

(エボラ二 平田真也さん)
「毎日、人の役に立つことに関わりたい。それを作りたい、提供したい思いが強くて、会社が立ち上がった経緯がある。高校生の役に立ちたいという思いに共感が持てて、一緒にカタチにしていった」

この日、彼らは高齢者のお宅へ。 実際にアプリ上で「自宅の掃除や草取り」など“お手伝いの要望”があった想定です。高齢者の方もこの取り組みに賛同し、実証実験に協力してくれました。

(高齢女性)
「感心している。年をとっているからなかなかできない。若いときはやったけれど、助かる」

訪問してお手伝いしながら、見守り活動を行うことで報酬ポイントを獲得!実際に一連の流れを通して、課題も見えてきたようです。

(伊豆伊東高校3年生)
「実際に高校生たち(若者)が自主的にやってくれるかどうか考えると、どうなんだろうと思いました。今は高校生だけですが、子どもを中心に高齢者と結び付けられたらと思います」

伊豆伊東高校の生徒は「ビジネス・グランプリ」の応募に向け今後、ポイントの活用方法や課題を見直していくということです。